お昼にコルシカのピノ・グリ(葡萄の品種)を飲んだら猛烈に眠くなり、子供達といっしょに少しだけ昼寝をしてしまいました。
コルシカのワインは初めてでしたが、淡いピンクでスイスイいけてセラノの生ハムやロックフォールのチーズに良く合います。
さて、昨日に続いてグラスのお話です。
まず昨日のブログに貼り付けた画像の説明からいきますが、ラリックのカタログ・レゾネからの抜粋は、グラス・サーヴィスの項のトップナンバー1924年のモデル"ANDLAU"です。このモデルに限らず、全てのサーヴィスが同じ構成になっており、
左からbroc(ピッチャー)、verre(グラス)は大きい順に水、ブルゴーニュ、ボルドー、マデール、リキュール、シャンパン・クップ、carafeというのがスタンダード(ラリックの場合)な一式です。
面白いのは、シャンパン用のグラスがラリックの場合ほとんどのモデルにおいてフリュートではなくクップであることです。1938年~39年の3種のモデルのみフリュートが入っています。
これはアールデコ時代の流行とデザイン様式によるものと思われます。
昨日は姉妹社の手持ちのゴブレの画像を紹介しましたが、ここでグラス類の呼び名について説明します。gobelet(ゴブレ)は通常脚の無い(或いは極短い脚付き)グラス、日本で言うコップ、タンブラーにあたります。
verre(ヴェール)は広い意味でガラス、グラスを指し、用途によってヴェール・ア・ヴァン(ワイングラス)、ヴェール・ア・オー(水用グラス)のように言います。coupe(クップ)は浅く広口のシャンパングラス(または平鉢)のことですし、flute(フリュート)は笛のように細長いシャンパングラスを指します。
昨日の最後の画像はバカラ1916年版のテーブルウェアのカタログからモデル"NANCY"のグラスのページですが、さすがバカラ、凄いラインナップですよね。ゴブレだけでもアメリカ式、ボヘミアン式、脚付き、手付き、サイズも大きいのはビールから小さいのはリキュールまでそれぞれ用途別に揃っております。
高脚付きのヴェールは同じシェイプで大きい順に水(2)、ブルゴーニュ、モーゼル、ボルドー、マデール、ポルト、リキュール(2)の9サイズあり、更に、シャンパンクップ、シャンパンフリュート、ラインワイン2種。
昔のフランス人のこだわりに驚きます。酒文化、ひいては食文化のレベルの違いが目の当たりですね。しかし時代と共に簡略化され、現代ではバカラといえどもここまでの品揃えはありません。
今回の画像は、1907年版のバカラのカタログからの抜粋で、1899年以降現在までフランス大統領官邸エリゼ宮で使われているモデル"JUVISY"(当時はカットパターン名のみ)のページです。図版には代表の何種かだけが掲載されておりますが、付属の価格表を見ると1モデルにつき丸々1ページの品揃えです。図版の下の段にはデザート用のコンポート入れ、大クップ、チーズ入れが見られます。
写真は色々なグラスの実例として、私がかつて持っていたり今も姉妹社のコレクションとして持っておりますグラス類です。リンクをクリックすると詳細をご覧いただけます。
左上バカラ"Harcourt"http://www.antique-shimaisha.com/product/29 左下バカラ"Saint-Hubert"http://www.antique-shimaisha.com/product/72 中央バカラ"Juvisy"水、ボルドー、マデールhttp://www.antique-shimaisha.com/product/18 右上バカラ"8469"http://www.antique-shimaisha.com/product/82 右下バカラ"Argentina"クップhttp://www.antique-shimaisha.com/product/56 |
左よりサン・ルイのフリュート・クップ バカラ"Djeddah"フリュート ラインワイン用グラスhttp://www.antique-shimaisha.com/product/26 カットグラヴュールのグラスhttp://www.antique-shimaisha.com/product/54 ラリックの特大グラス"Clos Vougeot"http://www.antique-shimaisha.com/product/42 |
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