2015年4月28日火曜日

コンピエーニュの森へ〈Ⅱ〉 サン・ジャン・オ・ボワ Auberge à la bonne Idée

【O】がミシュランで発見し、誕生日のお泊りディナーの場所としてノミネートされた何軒かの料理旅館の中から最終的に彼自身が撰んだ『オーベルジュ・ア・ラ・ボニデー』は、私の予想に反して素敵なホテルでした。
ホームページで見た限りでは、野暮ったくて安っぽい感じがして、節目に当たる今回の誕生日を過ごすにはちょっと貧相なんじゃない?と私は危ぶんでいたのです。
スイートルームを予約したものの、お値段からすると『なんちゃってスイート』かな?と期待もしていなかったのですが、意外にも広くちゃんとしていて、いい感じだし、バスローブも付いていれば、バスルームにはシャワー室もあり、3★ですが、優に4★のレベルです。

肝心のディナーも、良い素材を惜しげもなく使った美味しいお料理でした。ムニュ・デギュスタシオン(おまかせコース)にしたのですが、珍しく全部私達の好きな食材だったのも嬉しかった。
欲を言えば、食器やプレゼンテーションが今一残念。それと量がちと多過ぎました。
ワインもリーズナブルなお値段で品揃えも豊富だったし、ネットで予約を入れた時に夫の誕生日祝いなので良い席をとリクエストしておいたら一番良い席が用意されていたし、大いに満足でした。

表からは想像できないぐらい奥が深く、バー、3つのダイニング・ルーム、散歩するほど広くはないけれど気持ちの良い綺麗な庭には小さな池もあり、片隅には菜園もありました。

去年の誕生日は失敗だったけれど、今年は成功でした。素晴らしいお天気にも恵まれ、祝福された〇寿の記念日になったと思います。

田舎の古いオーベルジュを趣味良くアレンジしてあり、アンティック風な調度や絵も感じが良い。

 寝室とサロンの間にあるバスルームは、タイルや備品も良質で、快適。
二匹の子豚さん達が気持ち良さそうに寝ているサロン。

 居心地の良いバーでまずアペリティフ。おつまみに出たエスカルゴのシュー包みが美味しかった。
メインダイニングへの途中のダイニングルームもなかなか素敵。

 一番奥の木で造った大きなヴェランダがメインのダイニング。(夜は他の客に悪いので翌朝撮った写真)
庭の正面に面した私達の席からの眺め。

 アミューズはカボチャのヴルテ。帆立のカルパッチオ。エキゾティックな果物やバルサミックの粒が可愛い。

 フォアグラのポワレ。 平目の西洋牛蒡添え。

 何だったか忘れた箸休め。次第に暮れてきた庭の眺め。鳩のロースト、葡萄とトリュフ添え。

 何だか良く分からなかったデザートの前菜。お皿にチョコレートでハッピーバースデイ。
パイナップルのカルパチョとシャーベットのデザート。

 朝食はシンプルなコンチネンタル。食器が良かった。古い井戸水のポンプを残した通路の花壇。

朝の庭に何故か雄鶏が。古い自転車もノスタルジックで牧歌的。林檎の花が咲いていた。

Auberge à la bonne idée   3, rue des Meuniers 60350 Saint-Jean-aux-Bois

2015年4月26日日曜日

コンピエーニュの森へ〈Ⅰ〉 ピエールフォン →サン・ジャン・オ・ボワ

21日は【O】の誕生日でした。恒例のお泊りディナーの場所選びは、今年は本人におまかせしました。
彼が選んだのは史上最短距離コース、自宅から93kmという近場で、コンピエーニュの森の中の小さな村サン・ジャン・オ・ボワにあるオーベルジュでした。
あまりに近いので直接行ってもしょうがないし、お天気も良いので、まずピエールフォンに行き、軽くランチをしてから散策しました。
お城で有名なピエールフォンは初めて行きましたが、風光明媚でとても素敵な所です。
地方としてはピカルディーになりますが、パリのすぐ傍にこんな良い所があったなんて、まさに灯台下暗しです。
お城の周りを登り下りしてゆっくり1周したら子供達がハアハアしてしまったので、早いけれど6kmほど離れたホテルに向かい、お父さんと子供達はお昼寝をしました。
お昼寝から醒めても夕食までにまだタップリ時間があり、サン・ジャン・オ・ボワの村を一回りし、森を散歩し、ゆっくりお風呂に入ったりして時間をつぶしたのでした。
そして漸くメインのお誕生日ディナーと相成るのですが、長過ぎた1日、1回のブログには載せ切れないのでお後は次回のお楽しみ、ということにいたしましょう。

 お城の足元に湖があり、湖畔の貸しボート屋兼カフェテラスで昼食。
食事とも言えないようなお粗末なランチだったけれど、最高のロケーションに満足。

 ロマンティックで美しい小さな湖。シャルル・ドゴール空港が近いので青空に落書きのような飛行機雲が。

元は中世に建てられた城砦だったが、戦いで破壊され廃墟と化していたのをナポレオンが買い取り、ナポレオン三世が建築家ヴィオレ・ル・デュックに修復させたピエールフォン城。

 子供連れなので入れないかと思ったら、外側はリード付きならOKという表示があり、門をくぐって中へ。
眺めの良い素敵な散歩道には絵になるスポットが有り過ぎて、撮影に大忙しだった。

 登りきった所に正面玄関が。下から全体を見た方がその威容が良く分かるようだけれど、
良い撮影スポットが探せなかったのが残念。

お城の庭からの眺望。コンピエーニュの森をバックに教会の塔が映えて、美しい景色。

 あっと言う間に着いたサン・ジャン・オ・ボワ。人口320人ほどの小さな美しい中世の村。
右は私達のホテル『オーベルジュ・ア・ラ・ボニデー』。

 13世紀に建てられた修道院。右はモニュメント指定されている門(?)

 ゴミ一つ落ちていない綺麗な村には、民家の前や、辻辻に可憐な花が植えられていて美しい。

村はずれの旧洗濯場。きれいな水が流れている。ホテルから10歩でコンピエーニュの森へ。
まだ緑が浅く、その分明るく風通しの良い森には薄紫の野生のヒヤシンスが群生していた。


2015年4月20日月曜日

フランスの八重桜

3週間もブログをさぼってしまいました。
特に忙しかった訳でもなく、病気をしていたのでもないのに…、駄目な私です。
パリ近郊は今とても気持ちの良い陽気で、毎朝の散歩が楽しみな季節になりました。
今年は開花が遅かった我家の八重桜も満開です。
日本の桜を観に帰れなかった口惜しさが癒されております。
もっともこちらの桜はやはりどこか西洋的で、濃く、グラマラスです。
八重桜が多いせいもあるかも知れませんが、日本の桜の楚々たる風情が全然ありません。
着物とイヴニングドレス、懐石料理とフレンチのフルコース、煎茶とカフェ・オ・レ、水彩画と油絵ぐらいの違いがありますね。
でも本当に華やかで、豊かで、心が浮き立つような美しさです。
何もしてあげていないのに、こんなにも美しく贅沢に花を咲かせてくれる桜の木の健気さに感動します。

 夕方7時頃、西日に照らされた我家の桜を外から見たところ。

 夜9時近く、庭側から見た我家の桜。

 右下は野鳥が運んだ(多分)種から庭に自生したサクランボの桜。
まだ1mぐらいだけれど去年もサクランボが生った。

今朝、散歩の時に遭遇した団地の桜。紅白ミックスで咲いている木も。