2016年8月21日日曜日

Festival de l'Orangerie de Sceaux ソーのオランジュリーでコンサート

リオのオリンピックも最終日になってしまいました。
運動音痴の私ですが、観るのはけっこう好きで、今回のオリンピックも一応ほぼ毎日見られる時間にはテレビで観ておりました。
フランスのテレビなのでフランスの選手が出場する場面しか実況放送されないし、一つのチャンネルしかかからないので、あっちこっち掛持ちでジックリとは観られませんでしたけど。
何を観ても、よくあんなこと出来るものだ、と驚きしまくり感心しまくりでした。

そんな日々を送っておりましたが、8月15日は夕方から久々にコンサートに参りました。
音楽家の端くれでありながら、滅多に音楽会に足を運びません。特に郊外に引っ込んでからは全然です。
もっとも、音楽会に限らず夜出かけるのは億劫になってきているのですが…。
新聞でソーの音楽フェスティヴァル記事を見て、ふと久々に行ってみようかという気になり、Oを誘ったら意外に二つ返事だったので、すぐにネットでチケットを買いました。
長女(チャウチャウ)が生きていた頃は、彼女の大好きなお散歩コースだったので頻繁に通ったParc de Sceaux ソー公園も、現在の家に移ってからはトンとご無沙汰だったので懐かしかったし、コンサートのプログラムがチェロとピアノによるフォーレ、ドビュッシー、サン=サーンスなど私の好きな曲ばかりだったのも魅力でした。
Oが言うには、昔一度このフェスティヴァルのコンサートに行ったそうなのですが、私は何故か全然思い出せません。

休日(聖母被昇天祭)の17:30からというタイミングも良く、良く晴れた夏の空の下、ヴァカンスでガラガラのオトルートを快適に飛ばして30分前に到着。
もう開場していたけれど、冷房も無い会場にジッと座っていても仕方がないし、懐かしいので公園を少し散歩しました。

夕方5時、まだまだ日が高く並木の日陰を歩いてシャトーの方へ。(シャトー側から振り返って撮影)

ちっとも変わっていない(当り前だけど)シャトー。ルイ14世の財務総監であったコルベールが1670年に別荘にするためこの領地を買い、城館や庭園を整備したとのこと。

昔通っていた頃は意識していなかったけれど、久々に見るとなかなか凄い庭園。
ヴェルサイユの造園で有名なル・ノートルの手になるそうだ。眺めが素晴らしい!

そろそろ会場のオランジュリーへと並木道を戻る。相変わらずカッチリと角刈りされた樹々。

立派なオランジュリー。1686年に建てられたらしいけど、綺麗に修復されている。
こんな立派な温室でオレンジなどの柑橘類を育てていたなんて…。今ならきっと柚子ですね。

オランジュリーの内部。高い天井からシャンデリアがいくつも下がっていた。
大理石の彫像もたくさん置かれていてカッコ良い。

ステージはほぼ真ん中の壁際に設置してあり、横長な平土間の石とガラスで出来たオランジュリーでは音響条件が良くないのでは思ったら、意外にも綺麗に響くので驚いた。


右から本日のスター、チェロのエマニュエル・ベルトラン、後半のブラームスのトリオに出演したクラリネットのフロラン・ピュジュイラ、ピアノのパスカル・アモワイエル。

私には初めて聴いた演奏家達だったけれど、それぞれかなり有名な人達。
ベルトランのチェロの音色は深く、厚く、強く、美しかった。チェロってやっぱりいいなって思いました。
チェロと言えばこの曲(私の中では)のフォーレの『夢の後に』に始まり、フォーレのエレジー、ドビュッシーのチェロとピアノの為のソナタ、サン=サーンスのソナタ、と好きな曲ばかりのプログラムも良かったし、ちょっと暑かったけれど、クラシック音楽にピッタリの素敵な空間で久々に生の音楽に浸り、心が潤いました。

フェスティヴァルの内容はこちらをご参照ください。


2016年8月18日木曜日

真夏のパリ、レストラン 『KOKORO』で昼食を

夏真っ盛り、いわゆる真夏ですね。
日本は生命の危険を感じる事もあるほどの暑さだとか…。
パリもそこそこ暑いのですが、エアコン入れっぱなしするほどではなく、お昼はバルコニーで十分涼しく(時には寒がりながら)食事ができるぐらいです。
でも、日照り続きで近所の森の中でさえパサッパサ、地割れができているし、うちの庭や畑も毎日朝夕水撒きが必要でした。
きょうは久々の雨、庭の植物はもちろん小鳥さん達も嬉しそうです。まさに恵みの雨です。

数日前、久しく会っていなかった友人達と7人でパリ5区のレストラン『KOKORO』でランチをしました。
お友達の一人は既にお試し済みでしたが、前から気にはなっていたものの私達には初めてのお店で、お店選びを任された私としては期待と不安を胸に赴いたのでした。
可愛らしい小さなお店で、メザニーヌ(中二階)に貸し切り状態で席が用意されておりました。
天井が低く狭いので暑いのでは?と思いきや、意外に風通しが良く快適に食事ができました。
お料理は、手間暇かけ凝った味付けをされていながらこれ見よがしなところが無く、自然でビストロ風で美味しく、好感がもてました。
皆で味見をし合い、和気あいあいとおしゃべりしながら楽しく会食しました。

食事にばかり気を取られて、お店の写真を撮るのを忘れたので
他人様やお店のサイトから勝手に拝借した写真です。

この写真もまた然り。左は私達が通された席。
Monge通りとJussieuの大学前を結ぶBoulangers通りのMonge寄りにあるKOKORO。

3種のトマト、スイカのニョクマム風味、燻し卵のグリビッシュソースとサリコルヌ添え。(前菜)
おかわりをした爽やかなラングドックの地酒。ロゼワインです、マッコリではありません。

カシューナッツと仔羊のそぼろをまぶしたムール貝、胡瓜のスパゲッティ、タイ風カレーソース。(前菜)

小鴨のフィレ、ヴォンデ産白インゲン豆、ジロル茸、半乾きのレーズン添え。

 
鱒のエスカロップ鉄板焼き、茄子、新玉葱、キノア、ブルグール、トマトのクーリ

鴨もも肉のコンフィ、付け添えは上と同じ。

紅いフルーツ、チェリースープ、天使の髪、タイムとフロマージュブロンのシャーベット

ショコラのムースとカカオのサブレ、杏子、パッションフルーツ

ヴェルヴェーヌ風味クレーム・ブリュレ、オレンジ

自家製マドレーヌとアイスクリーム付きコーヒー(機械故障につき紅茶)セット

以上の皿、全部私が食べたのではありませんよ、いくらなんでも。 皆さんの取った皿からの抜粋です。
Alain Passard(アルページュ)で修行された日仏カップル(サクラとフレデリック)が独立して2013年に開いたKOKOROは、その店名どおり心のこもった料理とおもてなしのプチ・レストランです。
奥様がパティスリーとパン、ご主人がお料理を担当され、サーヴィスはスタイルと愛想の良いフランス人女性というスタッフで構成されており、新しくて小さなお店ながらとてもプロフェッショネルでした。
お値段もリーズナブルで、ランチのフォルミュール(前菜+メイン又はメイン+デザート)は19,50€、メニュー(前菜+メイン+デザート)は30€。
サクラさんが事前にメールでメニューを送ってくださったので、その場で悩まず待たされずスムーズに食事ができたのもナイスでした。

レストランは私達が昔々住んでいたカルティエにあり、懐かしかったので食後ムフタールまで散歩してみました。
途中、プラス・モンジュでおそらく世界一という膨大なコレクションを誇る中国茶の専門店でお茶をしたり(一人前のお茶代がKOKOROのフォルミュールより高かった!)、「もう無いだろうね」と言いながら通りかかった元骨董屋で絵描きになった旧知のジャック・カミュの画廊が健在で、老いぼれたジャックに「あっ、いた~!」と遭遇したり、驚愕の散歩でした。
たまに古巣に帰ってみるのは楽しくて新鮮で、良いものですね。

ご興味のある方はレストランKOKOROのfacebookをご覧ください。