2015年3月31日火曜日

【K】誕生日のディナー・ランチ@ジャン・フランソワ・ピエージュ

昨日は私の誕生日でした。今年も、祝宴はパリでランチ・ディナーということにし、1ヶ月も前からレストラン選びを始め、2週間前には店を決めて予約をしていたのです。
Jean‐François Piègeはミシュラン二つ星、ピュドロフスキーのガイドでは三つ皿のレストランで、今回初めて行きました。
一言で要約すれば『遊びの多い料理店』といったところでしょうか。
店内のインテリア、サーヴィス、テーブルアート、お料理、全てに遊び心がタップリ入っています。
ワクワクしながら、楽しく、美味しく、軽やかに食事をしました。
全然胃にもたれることもなく、今朝などここ何ヶ月かの最低体重を記録したのには驚きました。

食べた話が続いて恐縮ですが、誕生日に免じてお赦しください。
今、Shimaisha新着品公開の準備真っ最中なので、事細かにリポートする暇がありません。画像をお楽しみ下さいませ。

 エッフェル塔を望むサン・ドミニック通りは7区としては気さくで庶民的な商店街だ。
立派なファサードはJFPのカジュアル版ブラッスリー。レストランは横の狭い入口から二階に上がる。

 ラウンジのようなダイニングルーム。明るい席をリクエストしておいたら、ガラス張りの天窓の下のテーブルが用意されていた。着席後にテーブルセッティングするのがここの流儀とか。

 食前酒にすすめられたシャンパンはオレンジ色がかっていて綺麗。ブリュットでいてフルーティ。
最初のオードブルは、帆立のチップスにゴマとサテ味のディップ。台は食べられません。

 2番目のオードブルは、スフレしたポテトにキャヴィアがタップリ。中にはクリュスタセを煮詰めたクリームが忍ばせてある。
3番目はキクイモとトリュフのトゥルト。

 4番目のオードブルは驚きの一品。お煎餅状にした生のフォアグラの上から熱々のポトフのブイヨンを注ぐ美味しいスープ。中には賽の目切りのトリュフやシャンピニオンやフォアグラなどが入っていた。5番目は鳥の肝とエクルヴィスのガトー。

 5品のオードブルが終っていよいよメイン。初めてパンが出る。焼きたての美味しいフィセルとディップ。これだけでもワインが進みそう。私のチョイスはオマール・ブルー。絶品!ココナッツ苦手なのにココナツ果汁入りトムヤムクン風のソースが意外に心地よい。

【O】の御任せメインは貝のような鱈だった。パレットのようなお皿の片隅に美しく盛り付けられて。
出て来るまで秘密だから言わないけれど二人のメインにピッタリのワイン、と美人のソムリエールが見立てた2003年のシャブリがまた素晴らしかった。右は最初のデザート、ショコラのカリカリにシャルトルーズのグラニテ。

続いてデザート2品。 JFP最近の会心作らしいブランマンジェ(左)とクレマンティナ・カクテル風ババ、ハラペーニョのジヴレ。
二つともデリケートな食感と不思議な味。

最後のお楽しみサプライズ2題。鶏の足を模ったコクティエに卵型のショコラを載せてテーブルに置いたとたん、メートルドテルが黒い手袋をした握り拳で卵を叩き割ると、ショコラのカケラや中に隠してあったボンボンショコラが飛び散るという仕掛け。
もう1題は、クローバー(お店のマーク)型の大きな木の箱がドンとテーブルに置かれ、蓋を開けると卵のクレーム(固くて甘い茶碗蒸し状)と陶器のスプーンが出てきた。
因みにこの箱は最初からあちらこちらのテーブルの上に置いてあり、何でしょう?と無言の謎がけを演出していた。

JFPって、なんて悪戯好きでお茶目なシェフなのでしょう!
メートルドテルが食事の最初に『Bonne Appétit et Bon voyage!』と言ってウィンクしていたけれど、なるほど楽しい美食の旅でした。

2015年3月19日木曜日

パリ13区のガストロノミック・レストラン『L'Auberge du 15』

先週は、先々週から引きずっていたトラブルが漸く解決したかとホッとしたのも束の間、新たなるトラブル続出でトホホでした。
細かく記録しておきたい、愚痴をこぼしたい気もする一方、思い出すのも腹立たしく、早く忘れて立ち直りたいので(今だ未解決ですが…)、何があったかの詳細は敢えて書きません。

そのトラブル・ラッシュの間隙に得た束の間の平穏な時間に、ふと思い付いてランチに行ってみたレストラン『オーベルジュ・デュ・キャーンズ』についてリポートします。
パリ13区といえば、私達にとっては中華街そのもの、ミシュランの星付きレストランなどとは無縁のエリアという認識が浸透していますが、もしかしたらその常識が覆される日もそう遠くはないかも?と思える食体験をしました。
お店の名前が示すように、サンテ通りの15番地にあり、オーベルジュ(英語のINN、日本語の旅籠?)というだけにリュスティックで一見昔風なレストランです。
私が食通としてリスペクトしているピュドロフスキー氏が13区で唯一『皿』(ミシュランの星に相当)を1枚付けているレストランとして記憶してはいたのですが、その日の朝食時にミシュランをペラペラめくっていて『新しい日本人シェフ』云々の記事に注目するまで、すっかり忘れていたのでした。
とても若いシェフ、モリエ・ヨシノリ氏のおまかせ料理はどれも繊細で奥床しく仕事がされていて、種々の添え野菜の一つ一つに至るまで、それぞれ味わい深くいただけました。
これ見よがしな派手な演出はなく、さりげなく、美しく作られたお料理は、『春の予感』とでも名付けたいフレッシュで春の野山を想わせる牧歌的な美味しさでした。
欲を言えば、一見リュックスな食器類が、彼の料理のテイストと合わないし、私の趣味でもなかったのがちょっと残念。
ワインリストは充実しているけれど、ボトルの値段が意外に高く、お昼なのでグラス・ワインで我慢することにしたのですが、これが大正解!
大雑把な好みを聞いてはくれたけれど、期待はしていなかったのですが、なんと白も赤も私の好みにピッタリのブルゴーニュの上質なワインを開けてくれました。
お料理、お酒、サーヴィス、どれも高得点、車も近くに駐められるし、また行こうと思います。

 最近流行りの半オープン・キッチンと木と石を使ったリュスティックな内装。ちょっとだけモダン。

 前菜はカプチーノ仕立てのポタージュ。中にポワレしたフォア・グラが隠されていた。
お魚が何か聴き取れなかったけれど、身の締まった美味しい魚だった。クローバーが可愛い!

 本日のお肉は牛肉だったけれど、ホロホロ鳥に替えてくれた。スウィートピーの葉や茎、ハコベなどが添えてあり、摘み草料理みたい。綺麗なデザートは全部味が違うムースやグラス。

ピカピカに磨き上げられたキッチン。モリエシェフとダリ髭大男のメートルドテル。優しい人達。

L'Auberge du 15   15, rue de la Santé 75013 Paris  tel. 01 47 07 07 45  日・月休み


2015年3月3日火曜日

B&Bが9歳になりました!

3月1日、B&BことBokuとBettyが9歳のお誕生日を迎えました。

去年はうっかり忘れて、3日に雛祭りと兼ねて(こじつけて)祝いましたが、今年は前日に思い出し、夕方慌ててプレゼントやバースデイ・ケーキを探しに車を走らせました。
プレゼントは何とか買えたのですが、適当なケーキが見つからず、当日の午前中に近所中探し回った挙句、結局お粗末な小さなキャトル・キャールしか用意できなかったのが残念でした。
駄目な母親です、ケーキぐらい手作りするでしょ、普通。
来年こそは、準備万端整えて盛大にお祝いしてあげますからね、今回も赦してね、子供達。

朝のお散歩から帰って、『ベティーちゃん、きょうはねぇ、お誕生日よ!』と言ったら、足で耳を掻いていたベティーは持ち上げていた足を空中で止め、そのままの姿勢で10秒ほど固まって考えていたのですが、ハタと閃いたらしく、突然私の傍に駆け寄ってきて私の腕を手で引っ掻いて『ねぇねぇ、もう1回言ってみて!』とせがみ、『あ、思い出した?お・たん・じょう・び』と言う私の口をペロペロしてはしゃぎ、大変でした。
片やボクは、話を聴いてはいたようですが、全然ピンとこないらしく『何だったかなぁ?』という顔をしてました。

 テーブルに着くとおスマシするBettyと夫の手から目が離せないBoku

 七面鳥と馬肉のソテー、スナックエンドウと生パスタ添えが本日のお子様ランチ。
買い置きがあるとばかり思っていたら1本しか無かった蝋燭を点けたガトーを味見するBetty。

 ガトーがお粗末なので、せめてお花でも、と買ってきたチューリップを飾ったテーブル。
去年は庭の水仙を飾ったけれど、今年は去年より春が遅いようで、まだ咲かない。

満腹になり、プレゼントのダブルベッド(クッション)でお昼寝するB&B。
二匹の子豚さんって感じ。