2014年4月29日火曜日

【O】誕生日のお泊りディナー@リヨンス・ラ・フォレ

日本はきょう祭日なのですね。昨日ネットで振り込んだお金が口座に反映されないので焦りまくり、やっとそこに思い至って一件落着。なんと人騒がせな…って騒いだ私が愚かなだけですけど。

前回のブログで予告しましたLyons-la-Forêt行ホテル・食事編です。
因みに【O】というのは知る人ぞ知る夫のニックネームの頭文字です。眼医者にかかっていて運転手休業中だった夫が久々に操る車の助手席で、私は緊張の連続で自分で運転するよりよっぽど疲れたドライブ旅行でした。

今年の夫の誕生日ミニ・ツアーにリヨンス・ラ・フォレがノミネートされ、セレクトされたのは、ここにあるHôtel de la Licorne オテル・ド・ラ・リコルヌ(一角獣ホテル)のレストランがこの春ミシュランで1★を取ったのと、私の日本からの帰還翌日にあたるので遠出は無理かも、というのがその理由でした。
結果は、失敗した~というほどではないけれど、あまり良い選択ではなかったというのが私の感想です。
古めかしさを程好く残しながらセンス良くリニューアルされたホテルで、何処もかしこも写真に撮りたくなるほど素敵なのですが、居心地が良くないのです。
それは、ひとことで言えばホスピタリティの欠如、つまり、もてなすという心遣いの無さからくるものでした。部屋の備品や、スタッフの接客態度などにそれが表れているのです。
先日、日光で泊まったホテルで実に細やかな『おもてなし』を体験したばかりだっただけに、ことさら私は感じてしまったのかも知れませんが…、残念でした。
ミシュラン★付きのお料理は、どれも丁寧に綺麗に作られていて美味しくはあったのですが、量があまりに少なくてしっかり味わえなかったというか、目と舌先だけは一瞬愉しんだものの脳にまで味の記憶が残らなかったというのが本音です。
慢性的肥満症候群を抱えている私達にとっては感謝すべきことではあるのですが、速食いの夫など何を食べたかさえ分からなかったようです。大好きな食材ばかりだっただけに、もうちょっと食べたかった、という不満が残りました。

表側から見るとこじんまりして見えるけれど奥が深いホテル・ド・ラ・リコルヌ。
一角獣の看板が可愛い。17世紀から続いたオーベルジュとのことだ。

元はルレ・ド・ラ・ポスト(郵便馬車の中継地)だったそうで、馬車の入口が中庭に向かって開いている。
外から車が進入しないようにクラシック・カーがバリケードを兼ねてディスプレーされているホテルの入口。

事前にHPから選んで予約した私達の部屋と窓からの景色。中庭にもクラシック・カーが。

部屋の窓際のオープンなお風呂場。憧れのバスタブは、超入りにくかった。石鹸やシャンプーを置く場所もなく、入浴剤も少量入りが1本だけ。身体を洗うための手袋も小さなタオルも無く、フロントに言ったら元々無いのだそう。
仕方なく車の中に置いてある小さなタオルを外まで取りに行く羽目に。気が利かないにも程がある。庭の一画に素敵なSPAもあり無料で利用できるが、水着が無いとサウナもジャクジもダメとのこと。水着を持参してない場合は買えというので、利用しなかった。

こじんまりとしたレストラン。昔の兜や軍服のコレクションが飾られている。

半熟卵と鶏のアミューズ。表面をキャラメリゼしたフォアグラとスモークした鰻のミルフイユ。燻香が効いていて美味。

一口大の舌平目。「特別に」と恩着せがましく子牛から代えてくれた二口大の鳩の胸肉、紫芋添え。プレデザートのアイスクリームとプディング。この後、チーズ二切れ、デザートと続いたが写真を撮るのを忘れた。
ワインは憧れのシャンボール・ミュジニー2009年。期待ほどではなかった。

中庭に面した朝食の部屋は気持ちが良かった。完全なセルフ・サーヴィス式ビュッフェで、卵も飲物も自分で準備する。田舎だけに卵やヨーグルトが美味しかった。庭の案内板が可愛い。

駐車場と客室の棟はかなり離れているのだけれど、荷物を運んでくれたりのサーヴィスは一切無し。フロントから部屋へも急な階段や廊下をかなり歩くのに、案内の女性は荷物を持とうともせず先を歩き、途中でやっと「手伝いましょうか?」と振り返って夫から上着だけ受け取ったのには呆れました。
パラスではないにしても、一応4★ホテルでこのサーヴィスって、どうなんでしょう?
とてもチャーミングな施設なだけに残念です。
ちょうど復活祭の休暇に当たっていて、人手不足ということもあったのかも知れません。或いはこちらの求めるものが大き過ぎただけで、これが普通なのかも知れません。
ホテルやレストランの紹介サイトを見ると、ユーザーからの評価に両極端があるように、人により時により部屋により選んだメニューによって、評価は変わるのだとは思いますが…。


2014年4月28日月曜日

Lyons-la-Forêt リヨンス・ラ・フォレへ

里帰りしていた日本からフランスに帰って1週間経ちました。
やっと時差ボケも直り、きょうから身体も脳内も平常モードに戻ったみたいです。
日本滞在中もまめにブログを更新するつもりだったのに、暇なようでいて時間が作れず、結局一回アップしただけでした。
歳のせいでしょうか、気力や根気が衰えてきたようで、すぐ『ま、いいか・・・無理しなくても』と思ってしまうのです。
そんな自分に鞭打って、きょうからバリバリ行きますよ~!(ってホントかな?)

2週間ぶりの帰宅翌日は夫の誕生日で、恒例の泊りがけディナーに出かけました。
去年はロワールのシャトーだったけれど、今年は自宅から126kmの近場、オート・ノルマンディはルアンの手前にあるLyons-la-Forêtという村のホテル・レストランを予約しておりました。
この町は4~5年前に一度用事で訪れたことがあったのですが、子供達連れでわざわざ行くのは初めてでした。
リヨンス・ラ・フォレ(リヨン・ラ・フォレではなく、『S』を発音するのが正しいということを帰ってきてから知った)というこの村は、人口750人ほどのとても小さな村なのですが『フランスの美しい村』にもセレクトされていて有名です。
歴史も古く、中世にヘンリー1世によって建てられた城砦の城下町として出来たようです。村の名になっているLYONSは元々この地を囲む11000ヘクタールに及ぶフランス随一の美しいブナの森の名前です。
広大な深い森の中に半ば埋もれ隠された古い宝石のような、美しい小さな町です。

森に囲まれたLyons-la-Forêtの集落

先の写真の小道をずっと下りていったら突き当たった花屋。遠くから撮った時には気付かなかったけれど近寄ってみたら眠り猫が…。写真を再生したらちゃんと入っていた猫(右下)と、花屋の隣の家の窓に並べられた人形達(右上)。

町の中心にある17世紀に建てられ今も使っている市場。シックな色に塗られた古い家々。

前に来た時にはまだ骨董店も兼ねていたホテル・レストラン(左)と、市場の周りのささやかな商店街。

看板も洒落ている。美しい配色の家と市場の一画。

フランスの代表的作曲家ラヴェルがしばしば滞在した家。「リヨンスの町と森の友(常連客) モーリス・ラヴェルがこの家で1917年に『クープランの墓』を作曲、1922年に『展覧会の絵』(ムソルグスキー原作)のオーケストレーションをした。」と彫られたプラックが掲げられている。
トネリコ荘と名付けられたこの大きなお屋敷は、第一次世界大戦に従軍したラヴェルのマレーヌ・ド・ゲール(孤独な兵士を支援するための代理母)だったドレフュス夫人の家で、戦後も招待されて休暇を過ごしにちょくちょくパリから通ったとのことです。彼はこの落ち着いた町と、美しい森の散歩をこよなく愛したといわれます。

着いた日は曇っていた空が翌日には晴れ、帰途至る所で菜の花畑の黄色が目に痛いほど観られた。
フランスの春の風物詩である。

『ルアンとセーヌ河を一望に眺められる絶景スポット』とミシュラン・グリーンガイドのお墨付きコート・サント・カトリーヌの丘に寄ってみた。右手前がルアンの街、海に向かって流れるセーヌ河。

日本で買った新しいデジカメIXYのズーミングテスト。遥か彼方のルアンの大聖堂がなかなか良く撮れてた。

今度はパリの方向に振り返ってみる。セーヌ河、美しい!

今回は風景編でした。次回はホテルと食事編です、どうぞお楽しみに!

2014年4月14日月曜日

里帰りしています。

1週間前から日本に里帰りしています。
祖母のお墓参り、買物、小旅行、来客やらで小忙しくしていたのですが、今日は珍しく一歩も外に出ず、静かな1日を過ごしております。(結局この後近所にお使いに行きましたけど)
私がパリを出発する直前に突然咲いた東京の桜には間に合わなかったかと思いきや、案外まだまだ観られました。(もうさすがに殆ど終わってますが)
日本はやっぱり桜の国、というか桜はやっぱり日本の花なんだと改めて実感させられたほど、其処彼処で美しい桜が観られて満足です。この季節に来て本当に良かった!

4月6日、小金井公園の桜はまだ十分綺麗に咲いていた。
木の下にはブルーシートを敷いて花見に興ずる人々が大勢いたので根元付近はカットしてます。

鮮やかなピンク色の桜と、部分的に隣の桜の色に染まったような不思議な白桜。

4月9日、唐突ですがまだ寒い日光の東照宮の境内。

言わずもがなの三猿と眠り猫(残念なことにピンボケ)。

こんな極彩色が使われていたんだ…。中学の時に見てる筈なのに全然記憶が無い。

いや、凄いのなんの!もう階段昇れないというので三猿の辺りで待たせている両親に悪いのでざっと観ただけだったけれど、妹と私だけだったら飽きずに観察したであろう見所満載の東照宮だった。




2014年4月3日木曜日

【K】誕生日のディナー・ランチ@ レストランJEAN

このところナンダカンダで気忙しくて、ちっともブログを更新しておりませんでした。
で、ちょっと時差がありますが、3月30日は私【K】の誕生日でした。
日曜日だったのでレストランの選択肢が限られていたし、翌日は夫の目の手術を控えていたので夜は飲めないし、という訳でパリ9区のレストランにランチに行ってきました。
お食事は悪くなかったのですが、ミシュランの★付レストランなのに驚くほど空いていてちょっと寂しかったです。
行ってみないと分からないものですね、レストランは。でも、一応イヴェント的な食事はブログに記録することにしているので、掲載します。

下町らしからぬ地味で比較的モダンな外観と100年以上前の内装を残した店内

可愛いパン籠と良い色のシャブリ・プルミエクリュ。私の前菜(上)は青アワビのソテー、スズキのタルタル、フリット・ミスト風天ぷら(逆かも)。夫の前菜(下)はラングスティーヌ3種

ここのシェフは横長の盛り付けがお好きなようだ。(写真のレイアウトが難しい)
私のメインは、平目。魚は今一だったが添え物が美味。夫のメインはスズキのポワレがミネストローネの上に載っていて、上に海藻のガレットと白髪ねぎが載っていた。

デザートのカフェ・グルモン。やっぱり横長。