2018年9月13日木曜日

プチヴァカンス@南ブルターニュ

昨日も午後から暑くなり、久々にエアコンと扇風機のお世話になりましたが、きょうはまた寒いぐらいで小糠雨が降ったり止んだりのグレーな一日です。

最近メモリーの容量が足りなくなっているのか(パソコンではなく私の脳内メモリーです)、記憶の持続時間が短くなっているような気が致します。
で、出来るだけ早めにブログに記録しておかなくてはと焦るのですが、雑用や要用もあり、なかなかそうもいきません。
もうヴァカンス明けから10日も経ってしまいましたが、8月28~29日の南ブルターニュ観光編です。

《 La Baule / Le Croisic 》

予報に反して素晴らしい天気に恵まれ、夏が戻ってきた~って感じ。
この辺りのドーヴィルみたいな高級海浜リゾート”La Baule”の海岸。
街の中はけっこうまだヴァカンシエが多く賑わっていたけれど、ハイシーズンが過ぎて少々寂しいプラージュ。

振り向くと畏れ多くもパラス・ホテル”HOTEL ROYAL”

ラ・ボールは前にも一度子供達が6カ月ぐらいの頃来たことがありましたが、我々には高級過ぎ、大き過ぎてどうも馴染めない街です。
でもアンティックショップを2軒偶然見つけて、2点だけですが仕入れもできたのはラッキーでした。
もう少し先の”Le Croisic”まで足を延ばし、そちらで昼食をとることにしました。
ここももっと昔に来ている筈なのですが、殆ど記憶にありませんでした。
港に面してレストランが軒を並べていて、一昨年行ったCancaleに似ています。
レストランのテラス席は何処も満席で、やっと空席のある店を見つけてラングスティーヌやらクト―(マテ貝)やらを注文して待つこと30分以上。
先に出されたワインが半分以下になった頃やっと最初の食べ物(料理ではなく)が出され、次の皿はOが「もういいよ、キャンセルしよう!」と痺れを切らして席を立ちかけた時に出てきました。
ル・クロワジックは、ラ・ボールとは逆に庶民的過ぎてちょっと侘しくなりました。

食事の後気を取り直して浜の方まで散歩した。
”Le Croisic“の海は綺麗だった。桟橋に何故か白鷺が一羽佇んでいた。

この地方は『ゲランドの塩』で有名な塩田が多くあり、Le Croisicの海岸通りにも屋台を出して色々な塩を小袋に可愛く詰めて売っているおじさんがいたので、赤トウガラシ入りの塩の花とクール・ブイヨン用の塩と、海のスパゲッティと名付けられた干した海藻を買って帰りました。

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《Kerhinet / Piriac-sur-Mer / Guerande》

『フランスの美しい村100選』という本に掲載された”Kerhinet”の村。
ショミエールと呼ばれる藁葺屋根の家屋がここの見どころ。左はヴィジターの為のトイレ。

こんな家が10軒ばかり点々と建つ綺麗な村(というか保存地区?)。
民家もあるようだけれど、半分は観光案内所兼ブティックやギャラリー、ブラッスリーなどになっている。瓶詰の兎のテリーヌなんか買ってしまった。

やっぱり海の方へ出てお昼にしよう、と”Piriac-sur-Mer”へ。
ここは『フランスの最も美しい村』の一つに選ばれている村。
海辺にしては鄙びて落ち着いた所だった。

造花を飾った自転車に裸足で乗って旅をしているらしいお姉さん達が村に到着。
クレープ屋の看板が可愛い。ブルターニュだけにクレープ屋が多い。

小洒落たお店や看板が並ぶ村のメイン小路。
親が食事を終えるのが待ちきれず路で遊んでいた子供。
可愛いのでカメラを向けたら、嬉しそうに笑顔を見せた。

12年ぶりに再訪した”Guérande”の街。城壁で囲まれた旧市街は観光客がいっぱい。

観光地っぽいけれど、お店やギャラリーの看板やファサードが楽しい。

この日は雨こそ降らなかったけれど薄曇りで、お天気が良かったのは昨日だけか…と、少し寂しい気がしましたが、涼しいので3カ所も観光地をハシゴしました。
ゲランドではサロン・ド・テでお茶(玄米茶もあった!)をし、道に小さな台を出して生産者(多分)が直売していたメチャ安いゲランドの粗塩と塩の花を買って帰りました。
あ、その前に海産物の保存食品店で、カキ、オマール、ラングスティーヌなどのテリーヌも買ってしまい、Oに「そんなの、美味しくないよ絶対」と言われたのでした。
帰宅後、カキのテリーヌを開けてみましたが、Oの言う通りでした。

プチヴァカンス@ la Mare aux Oiseaux 食事編

昨日は朝12℃ぐらいで寒かったのに夕方には30℃!夏の最後のあがきのような暑さでした。
日本から苗を買ってきて庭に植えた金木犀が今年は殊のほか薫り、家の中まで芳香が漂っております。

さて、La Mare aux Oiseaux の続き、肝心の食事編です。
ここのレストランはア・ラ・カルトが無く、夕食のメニューは5皿と7皿の2種類のみ。
3泊する私達は毎晩そんなメニューを食べたら食傷してしまうと思い、1/2 pensionにしてもらいました。
事前に鳥類以外の肉は食べないと伝えておき後はオマカセだったのですが、前菜、メイン、デザートの3皿かと思いきや毎晩4皿、アミューズを入れると5皿のメニューが一品も重なることなくサーヴィスされました。
しかも私達の好みがちゃんと考慮された私達の為だけに構成されたメニューが供されたことは嬉しく、さすが1★と感心しました。
《第一夜》
アミューズは海藻と卵のアミューズ。 トマト、スイカ、桃、コック(ヨーロッパ笊貝)のヴェルヴェーヌ風味冷たいブイヨン仕立ての前菜。

サンドル(鱸に似た川魚)と根野菜のメイン。ホワイトチョコで装ったフロマージュ。

黒い婦人と名付けられたチョコレートの衣の中に果物が仕込まれたデザート

《第二夜》
炙った鴨肉とクルジェットのアミューズ。蛸の脚とビーツ、リュバルブの前菜。

2番目の前菜はフォアグラ兎肉巻き、苺と亀の手(らしき貝)添え。
メインは鱈、貝を詰めたクルジェットの花、粒芥子、パプリカ他野菜添え。

トマトの形をしたデザート、トマトコンフィ、苺、胡瓜のシャーベット添え。
2番目のショコラのデザートがあると言われたがパス。箱に入れてお持ち帰りにしてくれた。


《第三夜》
この夜のアミューズを撮るの忘れて食べてしまった…代わりに美味しかったワインの写真
前菜はパルミジャーノのガレットを敷いたオマール・ブルーのタルタル。

2番目の前菜は、チョウザメのフィレ、ラディとラディおろしとキャヴィア添え。
メインは、鳩のロティ、カリフラワーとアヴォカのクレーム添え、カフェ風味ソース。
お肉は食べないけれど、鳩なんかは大好物であると伝えておいた甲斐があった。

飛行機の形をしたショコラとフランボワーズのデザート。

朝食のビュッフェも品数は多くないけれど、ハムやチーズ、鮭のマリネ、高級なヨーグルト、新鮮なジュースなどみな美味しく、優しいオニイサンが半熟卵を毎朝作ってくれたし、朝からしっかりいただきました。
お昼は外で軽く軽く、と言いつつ、なかなかそうもいかず、夜は写真のようなディナーでしょう。(その前にアペリティフとおつまみセットもやってるし…)
我ながら、呆れるほどよく食べ、よく飲みました。
デザートに必ずショコラが使われていて重いのがちょっと気に入らなかったけれど、お料理はまずまず美味しかったです。
海の傍だから、もう少し海の物が出るかと期待していたのは外れでした。
Oは、支店のジヴェルニーの料理の方が良かったとのことです。
私は、凝り過ぎ気味ではあるけれどお料理は悪くないと思いました。
ただ、レストランのサーヴィスが今一つかな?
シェフの顔を見られなかったのも(いなかったのかも?)残念でした。

ロベール達と遊べたことが何よりも良い思い出になりました。
私達は利用しなかったけれどSPAもあり、色々楽しめるホテル・レストランです。
La Mare aux OiseauxのHPはこちらから。

2018年9月12日水曜日

プチヴァカンス@ la Mare aux Oiseaux ホテル編

9月になりました。もう秋です。
今朝、近くのプラージュ・ブルー公園をウォーキングしていたら、もう紅葉の始まった樹木を何本か見かけました。
そう、お散歩ではなくウォーキングなんです。5月に里帰りした折、思い立ってほぼ毎日実家の近所を早朝ウォーキングしたのがきっかけで、帰宅後も出来る限り続けているのです。
本当はジョギングをしたいところなのですが、走るの超苦手な私は転んだり足を捻挫したり絶対しそうなのでウォーキングがいいところです。

8月最後の週、恒例の晩夏の小ヴァカンス(6泊7日)に出かけてまいりました。
例によって行先は2箇所、最初はブルターニュ南部ロワール河口のSaint-Nazaireの南にあるSaint-Joachimという村です。
カマルグに次ぐフランス第二の湿地帯ブリエール自然公園の中にある小さな何も無い村ですが、ここにずっと前から気になっていた1★レストラン付きホテル『ラ・マール・オ・ズワゾー』があり、そこに3泊Demi-Pension(朝・夕食付き)で滞在しました。
オーナー・シェフであるエリック・ゲラン氏所有の第2店ジヴェルニーの『ル・ジャルダン・デ・プリュム』には2度滞在しましたが、本店は初めてでした。

庭の奥のマレーと川に接した高床式のバンガロー(3部屋ある)の川側の端が私達の部屋。
水が多い時は渡り廊下やテラスの下まで水が来るらしいが、幸か不幸か水は無かった。

藁葺屋根の小屋風のバンガロー、いい感じ。
私達の部屋”Héron”(鷺の間?)の入口と専用テラス。

インテリアは白、茶、赤でスッキリとコーディネート。
鷺の間だけにあちらこちらに鷺の絵や写真が飾られている。

バスルームの上のガラス張りにも鷺のグラヴュール。


バンガロー側から見た庭と母屋

庭は鳥の楽園。鶴、鷺、雁、鶏、白鳩などが放し飼いされている。


楽園の王者でホテルのスターRobert。大きくて(身長1mぐらい)美しい鳥。
滞在中すっかり仲良しになったロベールは、後で調べたら頬白冠鶴という鶴だった。


可愛い鳩小屋。いつも地面をつついている顔白雁達。


母屋の裏のテラスでアペリティフをしていると鳥達が寄って来ておつまみをねだる。
ロベールの他の鳥達は名前が付けられていないようだ。青鷺(多分)のカップルとマルチーズ犬のように駆け回る鶏(遠くから見て本当に犬かと思った)はテラスの常連。


レストランのメインダイニングルーム(庭側)。
ここにも大きな鳥籠があり、色とりどりの小鳥がいる。


メインルームの反対側(内側)はこんな感じ。


母屋の庭側の入口。紫陽花がブルターニュらしい。(左の写真)
正面玄関前には小さな池が造ってあり、鯉が泳いでいて、池に渡した橋状の通路を通って出入りする。(右2枚は雨上がりの朝、朝食の席からガラス越しに撮影)


ホテルの正面。玄関への通路の両側はガラス張りの小ダイニングルーム。
朝食や個室ダイニングとして使われている。

ホテル編はここまでです。La Mare aux Oiseaux(直訳すると鳥の池)という屋号だけに、本当に鳥だらけのホテルでした。鳥が嫌いな人にはお薦めできませんが、私達は楽しかったです。
ロベールやサギの夫婦みたいな大きな鳥を身近でかまったのは初めての経験で、最初はちょっと怯みましたが、手からパンを食べたり、撫でても平気なロベールなど可愛くなっちゃいました。鶏類もあんなに可愛いなんて知りませんでした。
食事編は次の稿にリポートします。

2018年8月25日土曜日

レストラン”La Montée”で昼食を

きょうは本当に寒いです。朝は13℃ぐらいだったし、今夕方6時前できょうの最高気温21℃です。
このまま秋になっちゃうのかなぁ…と、ちょっと寂しいこの頃です。
こんなこと言っていると、残暑厳しい日本の方々に怒られますね。

もう2週間ほど前の話ですが、今年の春から懸案事項だった『ラ・モンテ』での昼食を漸く実行しました。
3月発売の今年のミシュランに初掲載されると同時に1★を獲得した日本人シェフのレストランとあって、当初なかなか予約が取れず、ほとぼりが冷めた頃に行こうということになっていたのです。
パリ14区モンパルナス界隈なので我家から車で30分足らずで着きました。
モンパルナス大通りの1本手前の静かな小路に面した慎ましやかなお店です。ファサードの写真を撮るのをいつものように忘れましたが、黒っぽいシックな構えで見過ごしそうです。

店内は真っ白でシンプル。全てのテーブルを壁のスポットライトが照らしている。
壁に絵(それもFoujitaと指定)が欲しい、とOが『余計なお世話』的提言をする。

(この前に胡桃の飴焚き、チーズクッキー、シャンピニオンのチップスのおつまみが出たけれど写真撮るの忘れた)トマトのグラニテと苺のアミューズ。最初の前菜は鮭のタルタル、鶉の卵、ランティーユ。添えられたピュレも美味。

2番目の前菜はブランダード・ド・モリューとポテト、オゼイユ添え。
続いて魚料理は平目のフィレ、黄色いクルジェット添え。

用意されていた肉料理は仔羊のコンフィだったけれど、鴨に替えていただいた。

最初のデザートはパイナップル、メレンゲ、ココナッツ。
2番目のデザートはショコラ。
この後、オレイエット(薄い揚げ菓子。ラングドック名物)が出た。

このお店はアラカルトが無く、常にシェフのお任せコースのみ。フランス風に言うと、最近多くなってきたキュイジーヌ・ド・マルシェです。
土曜日のランチだったので6皿40ユーロ(9月からは55ユーロ)メニューのみとのことでした。
★付きレストランのデギュスタシオンメニューとしては安くて、色々楽しめて、美味しくてほぼ満足でした。
ただ、私達のような酒飲みには飲物代がかさみ過ぎました。
アペリティフを取らずにいきなり白ワインで始めたので、前菜までで1本空けてしまい、その後お魚、お肉とそれぞれにグラスワインをいただき、結局お料理よりお酒の方が高くついてしまいました。(いつものことか?)
お酒が進むお料理だったのか、奥様が間髪を入れずに注いでくれたせいなのか、お昼にしては飲み過ぎました。
さして高級な食材が使われている訳ではないし、一品ずつの量は少なめなのですが、それぞれとても細やかな仕事がされていて味が繊細、しかもこれ見よがしなところが無く好感の持てるお料理でした。
見るからに真面目そうな滑浦高行シェフと、気さくでサーヴィス上手な奥様の名コンビによる美味しいレストラン『La Montée』、きっと名前通り上がってゆくことでしょう。
お店の名前はシェフのお名前『高行』から来てるのですね。

上の画像をクリックするとお店のHPにジャンプします。

2018年8月5日日曜日

鼓童@テアトル・デュ・ソレイユ

ここ数日30℃を超える暑い日が続いており、来週半ばまで猛暑は続くようです。
7月4週目にも猛暑日が数日あったし、日本ほどではないけれど今年はパリも暑い夏となっております。

7月21日にヴァンセンヌ公園内にあるテアトル・デュ・ソレイユで開催されていた『鼓童』の公演に行きました。
鼓童はもとより和太鼓のコンサートを生で視聴したのは初めてでしたが、もう、Oも私も感動で涙が出ました。
最初の大太鼓の一音から度肝を抜かれ、私は心だけでなく身体にも衝撃を受け、気付くと涙が頬を伝っておりました。
太鼓の音って人間のプリミティフな琴線を震わせる周波数を持っているような気がします。まさに血湧き肉躍るような感覚にジッとしていられない想いをしたのは私だけでしょうか?
聴く、視るという次元ではなく、全身全霊で感じる演奏会でした。
この公演はKodo Next Generationと称して10人の若手ばかりで演じられたのですが、日本の若者もやるじゃないか!と伝統芸能に凛としてに向き合う姿勢にBravo!でした。
勿論テクニックや音楽性も素晴らしく、しかも皆多才で太鼓だけでなくそれぞれ歌、笛、踊り、三味線、作曲、アスリート並みの身体能力、演技力なども半端でないのです。
同じ日本人としてとても誇らしく、また彼らの心意気は胸に迫るものがありました。
客観的に見ても、ジャポニズムとロックな感覚を融合させた演出も優れていて、観客を飽きさせない美しいスペクタクルだったと思います。

劇場に入るといきなり大食堂。まずは冷えたサッポロビールで喉を潤す。
サーカス小屋のイメージのマジカルな内装。キッチュな劇場だ。

演奏中は撮影禁止だったので、最後の全員(左端にもう一人いた)集合の写真しか撮れなかったのは残念だった。

メインの観覧ホールと食堂ホールとの間にある仄暗いフォワイエには
大きなランタンがいくつも下げられていてマジカル。

興奮冷めやらぬまま外に出ると、またしても太鼓の音?
楽屋口から次々とメンバーが出てきてボーナス演奏をしてくれました。
私自身リズムに乗ってしまって手ブレがひどい動画ですが、雰囲気を感じて下さい。

2018年7月31日火曜日

FOUJITA展 -マイヨール美術館にて

今年の3月から7月半ばまでパリ7区のマイヨール美術館で開催された藤田嗣治展を例の如く終わり間近になってやっと観に行きました。
FOUJITAの作品は私にとって最も興味深く魅力的なものの一つなのですが、手が届きそうで届かない、近いようで遠い、歯痒いというか苛立たしいものでもあるのです。
この展覧会の予告記事を見た時から、これは絶対見逃せないと大いに期待しておりました。
パリにおりながら未だ行っていない小さな美術館がけっこうあり、マイヨール美術館も今回初めてでワクワクしながら出かけました。
120点もの作品や遺品が展示された期待以上に見応えのある展覧会でした。
以下、観客の切れ目を狙ってなんとか撮れた写真を掲載します。
(画像をクリックして拡大して見て下さい。)

螺旋階段を上って展覧会入口へ。
マイヨールの彫刻とポーズを決めたFoujitaの写真が面白い対比

『ジャグラー』1926年 / 『戯れる子供達』1924年

『小さな仏陀』1919年 / 『若いカップルと動物達』1917年

『デギュスタシオン』/『母子』/『家族』いずれも1917年

『スージー・ソリドールの肖像』1927年 /『3人の女』1930年

スージーは歌手、女優、キャバレー経営者、同性愛者の有名なパリのギャルソンヌで226人の画家が彼女を描いたといわれた女性です。
昔々、この肖像画を私は南仏のカーニュ・シュル・メールのシャトー=ミュゼ・グリマルディ(この絵の所蔵元)で見て感銘を受け、一緒に展示されていた他の有名な画家達が描いた肖像画のモデルが全て同じ一人の女性であることに気付き、一体何者?と頗る興味を持ちました。
シャトーを出ると目の前に骨董店があり、当然入ったのですが、女主人らしき老女がどうも今見てきた絵に似ているような気がしてならず、『失礼ですがヒョッとしてシャトーに飾ってある絵は貴女ですか?』と思いきって尋ねました。
そしたら彼女はよくぞ訊いてくれた、と言わんばかりに大きく頷き、『私のFOUJITAを見てくれたのですね』と言うではありませんか。
彼女もきっとFoujitaの絵が一番気に入っていたのでしょう。
その時は彼女がどういう人なのか全然知らなかったし、フランスに来たばかりでフランス語も自信が無かったし、半信半疑というか狐につままれたような気もしていたのですが、なんとあの老女がこのスージーさんだったのです。
彼女の店では何も買わなかったけれど、もともとカーニュに行ったのはシャトーの前の広場で開催された骨董市が目的で、アンティックにハマり始めていた私は素敵な銀のヴィクトリアン・パースに出会い、高かったけれど思いきって買ったのでした。
今でもカーニュといえば、あの銀のパース、薄暗いお城の壁で断然光っていた(他の絵が霞むほど)Foujitaの絵、そして彼女に会ったことが忘れられぬ思い出になっています。
今回、あの思い出深い美しい絵に何十年ぶりに再会し、感慨無量でした。

『モンパルナスの売春宿』1930年頃

『自画像』1929年/1927年/1921年


『トラ猫』1924年 / 『白猫』1920年


『ヌード』1927年

『マダム・エレーヌ・ラングロワ-ベルトロの肖像』1927年


『フィロメーヌの肖像』1925年/『猫を抱いた少女』1929年/『三つ編みの少女』1929年

『二人の女友達』1926年 / 『眠るユキ』1928年

『椅子の上の人形』1920年 / 『少年の肖像』1923年


『私の部屋』1922年 / 『賢い犬達』1922年


『争闘 1』『争闘 2』1928年 それぞれ3m四方の大パネル


『ライオンのいる構図』『犬のいる構図』1928年 上の絵と共に4部作


Cercle de l'Union interalliée (パリのフォブール・サントノーレ通りにある超エリートの会員制クラブ)の装飾壁画パネルとそのディテール1929年


『静物画(インク瓶)』/『静物画(糸巻き)』1929年


マイヨールのアトリエの一部(ガラスの覗き窓から)


『ネズミを追いかける猫』/『白兎と猫達』 1925年
スペランサ・カロ-セアイユとの合作。Lapと呼ばれるセメント石板にエナメル彩を施す技法による装飾的作品。下の作品も同様。


『青いバックの赤猫』/『黒いバックのエロス』 1925年


『ゲーム用又は喫煙用テーブル』1930年頃 ジュール・エミール・ルルーとの合作。
(豪華客船ノルマンディーの一等客の喫煙室用として試作された。)
『アーティストの親しい物達』1925年


『マドレーヌ』(Foujitaの4番目の伴侶)1931年
Foujitaの頭 1930年 / Foujitaの旅行鞄