2015年9月30日水曜日

プチヴァカンス@ポワトゥ・シャラント -3-

なんだか急にやるべき事が増えて、優先順位を考えながら行動しないといけないのですが、途中でまた雑用やら、気になることやら、気をそそられることが発生し、頭の中がグッチャグチャです。

きょうは半年ぶりに髪を切ってもらいに行ってきました。
夏に行こうと思っているうちに美容院が夏休みに入ってしまい、しょうがなく自分で切ったのですが、『へ~、結構だいじょうぶじゃん』と思ったのも束の間、伸びてきたらひどいことに…。
いつものようにワカメちゃんカット(自分ではアールデコ期のギャルソンヌ型のつもりなんですが、Oにはワカメに見えるらしい)にしてもらって、スッキリしました。

そんな事はどうでもよくって、実は仕事に追われているのです。
これからしばらくの間またしてもブログをお休みすることになりそうなので、とりあえずセレクトしてレイアウトした分の写真だけ掲載します。
ホテルの朝の光景と、その日訪れた可愛い村Mornac sur Seudreモルナック・シュル・スードルの風景です。

朝食を食べていると目の前のテラスを鴨が散歩していた。
でもよく観察したら縄張り争いの小競り合いが繰り広げられていたのでした。
ホテルで飼っている錦鯉。餌をくれると思ったらしく寄ってきて人の顔をじっと見て、犬みたい。

ホテルの小さなハーブ園。シソも植わっていたけど名札にはミソと書かれていた。
笑ったけど、今カタカナで書いてみるとと確かにシソとミソは似てますね。

 『フランスの最も美しい村』というガイドブックに取り上げられている村がホテルから30kmぐらいの所にあると知り、行ってみた。
塩田と牡蠣の養殖所に囲まれた元漁村。何も無い所だけれど、この地方独特の明るく乾いたのどかな家並。

観光客の目を意識した小洒落たお店やギャラリーが並ぶ。
家の壁添いに花が植わっているのがこの辺りの典型的なスタイル。

白い壁に、太陽大好き系の花が美しく映える。なんとなくノスタルジック。
道端でくつろいでいた綺麗なニャンちゃん。

 鎧戸がブルーやグリーン、ブルーグレーに塗られているのが海辺っぽく、田舎っぽくて良い感じ。
小さな港。これが大西洋に続くスードル川。

スードル川の河口と向かい合ってイル・ドレロン(オレロン島)があり、本土と橋で繋がっている。
せっかくだから島に渡って名産の牡蠣でも食べようということに。実は目星を付けていたレストラン(元漁師小屋)があり、大した所ではないと高を括って行ってみたら『予約は?』と訊かれ、してないと言ったら満席と断られた。
雲行きも怪しくなり、気分も低気圧。食欲も無くなり、食べず、飲まず、塩の花だけ買って帰ろうということに…。
海を見てもちっとも気が晴れず、ガッカリのオレロン島でした。

2015年9月24日木曜日

プチヴァカンス@ポワトゥ・シャラント -2-

9月は骨董市が目白押しです。
姉妹社KとOはお宝を求めて東奔西走の日々を送っております。
合間に、Bettyの手術(お尻の腫物を除去)で気を揉んだり、ピアノの上に置いているランプの笠止めのビスをピアノの中に落としたのを探すついでに調律をしたり、調律したついでに腱鞘炎で休んでいた練習を再開したり、色々ございます。
秋になって美味しいものが出始めており、それらを食べなくてはならないし、秋のワインフェアーで安くて良いワインも探さなくてはならないし、あれやこれや大忙し、痩せる暇もありません。

中断していたプチヴァカンスのレポートも続けなくては…。
ヴァカンス2日目は、ラ・ロシェルに行きました。
La Rochelleは中世から栄えたフランス西海岸の主要な港町の一つで、フランス人の大好きなヴァカンス地であり、フランス全国で5番目に観光客が集まる町なのだそうです。
Oと私は4回目の訪問になりますが、いつもチラッと通り過ぎたり中継地だったりで、実はあまり町の記憶が残っていなかったのですが、町中観光客やらヴァカンス客やらで大混雑なのには驚きました。
今回の目的は、1986年からミシュラン2★をずっと維持しているレストラン『Coutanceau クタンソー 』(昔は父リシャール、今は息子のクリストファー・クタンソー)での昼食でした。
昼間、子供達をホテルに置いて出かける訳にはいかないし、ランチとはいえ一応2★に子連れはまずいのでは?しかも大人しい子1ケならまだしも行儀の悪い子2ケ連れてたら食べた気がしないし…などと悩み、一旦諦めたのですが、せっかくラ・ロシェルまで行ってあそこで食べないなんて悔し過ぎる、ということになったのです。
予約の電話で2匹連れだけれど、と言ったら全然問題無いとのことでしたが、案内された席の足元に既に子供達用のお水が用意されていたのには感動しました。
とても暑い日だったし、知らない所にお出かけすると興奮して喉が渇く子供達は『ありがたい!』とばかりに早速飲みました。

レストランはビーチに面していて、パノラミックな眺めが気持良い。
水平線上にイル・ド・レ(レ島)が見える。
 
 私達も喉が渇いていたので『とりあえずビール』。
おつまみはタラ科の魚をベトラーブのjusでマリネしたもの。バラの花びらのよう。
桟橋の向こうにヨットハーバー(旧港)、その向こうに街並みが見える。

ガスパチョと…何だったか忘れた冷たいアミューズ。
カキとラングスティーヌのメドレーと題された暖かい前菜。

私のメインはメーグル(大ニベ?)の皮付きフィレのグリエ、コリコリ野菜が載ったクルジェットの船添え。
Oのメインはイベリコ豚の炭火焼き、茄子のカネロニ添え。

プレ・デザートはコニャック入りのアイスクリームとカキ氷。
メイン・デザートはフランボワーズとピスタッシュのタルトに双方をマーブルしたアイスクリーム添え。
ミニャルディーズはミニサイズで個別に。コーヒーには塩バターキャラメルが一つ添えられて。

子供達がへたりそうな暑さなので、街歩きは断念して旧港の辺りだけ散歩する。
ラ・ロシェルを守るサン・ニコラ塔(左)とシェーヌ塔(右)。
14世紀に建てられ、国のモニュメントに指定されている。
真っ青な空に映える灯台とパラソル松。

旧港と古い街並み。風情があってフランスらしい美しい街。

あれだけお昼を食べた夜のホテルのディナー。トホホ気味でしたが、
アミューズも前菜もサッパリしたものだったので、助かった。
トマトのカルパッチョにトマトのソルベ、美味!

庭に面した私達の特等席。お魚はリユー・ジョーヌ(タラ科の魚)、イマイチ。

何だったか覚えていないデザート。細長いオープン・タルトが流行ってます。
月も朧なホテルの夜の庭。さすがにこの日は食べ疲れました。


2015年9月15日火曜日

プチヴァカンス@ポワトゥ・シャラント -1-

9月になったら俄然寒くなりました。今年の夏も短かった~!
キュウリが全然ダメで、いつもはご近所や友人知人にもういいって言われるぐらい配ってもまだピクルスを1年分も作り置きするほど採れたのに、今年は自分達すら満足に食べられませんでした。しかも苦いものが多く、苦味抜きに文字通り苦労しました。

もう帰宅してから3週間になろうとしている今頃になって恐縮ですが、8月20日から5泊6日でPoitou-Charentes地方とフランスのど真中Bourgesに行って参りました。
最近は東や北にばかり行っていて、フランス西部、大西洋側に足を向けたのは7年ぶりです。
そういえば、南には10年以上も行っていないかも…?

目的地はTrizay トゥリゼという聞いたこともない村の、そのまた村はずれの湖畔にあるLes Jardins du Lac  レ・ジャルダン・デュ・ラックという料理旅館。
自宅から479 km、車で4時間半というちょっとした遠出です。
最寄りの町ロシュフォールまで13 km、ラ・ロシェルまで50 km、イル・ドレロンまで30 kmの大西洋に程近い内陸の田舎で、のんびりしながら海を見に行ったり、魚介料理を思いっきり食べたりしようという目論見でした。
Relais du Silence ルレ・デュ・シランス(静かな宿)のカタログでOが見つけ、HPや色々なサイトでの評価やらを調べたり例によって比較研究を重ねた結果、良さそうと見極めて決めたホテルは、期待を裏切らない素敵な所でした。

 一周お散歩するのにちょうど良い大きさの湖に面した広い敷地に建つジャルダン・デュ・ラック。
湖には魚がたくさん住んでいて釣り人のテント(徹夜で鯉釣りをする為)が点在していた。

 ホテルとレストランのメインエントランス。ヴィーニュの蔦の庇や紫陽花がいい感じ。
湖に面した側の庭とレストランのテラス。

 冷房の効いたモダンな部屋。バスルームと部屋に仕切りが無いのが近頃の流行みたい。
全室レイク・ヴューと謳っているだけに部屋とバルコニーからの眺望はバッチリ

 エントランス脇の池がレストランと客室をつなぐガラス張りの廊下の下を通って湖側の庭へ続く。
表の方には大きな錦鯉がたくさん泳いでいて、裏の方には鴨が遊びに来る。

 湖を我が物顔に借景したホテルの美しいお庭でお茶をしたり、アペリティフをしたり至福の時を過ごす。

 ドゥミ・パンション(朝・夕食付)にしたので料理はお任せメニュー。
アミューズは茸とフォア・グラのムース。前菜はオマールのラヴイオリ、オマール子添え。

メインは一本釣りのスズキのグリエ、セップ茸添え。
デザートはコニャック入りスフレ、カラマンシーのソルベ添え。

パリを出る時は雨(それまで雨乞いしたいほど日照り続きだったのに)で、しかも大渋滞。
これから人がヴァカンスという時に限って何よこれ!と呪ったのですが、目的地が近づくにつれて晴れ、着いた時は暑いぐらいピッカピカの快晴で、素晴らしい夏景色にヴァカンス気分が一気に盛り上がりました。
ホテルはこれで3★?というぐらいグレードの高い設備で部屋もベッドも広く、スリッパもバスローブもあり、快適でした。
若いシェフのお嫁さんとお母さんがサーヴィス担当、シェフとお父さんが厨房担当という家庭的な経営のせいか、とても親切でおもてなしが良いのも気に入りました。
特に、綺麗でチャーミングな若いお嫁さんは接客が大好きといった風で、私達の重いバゲージを一人で両手に下げて長い廊下や階段を事も無げに部屋まで案内してくれたのには感心しました。
夕食の時も、綺麗なドレスにハイヒールで広いダイニングルームを歩き回り、大勢のお客に一人で気を配り、笑顔や冗談を絶やさずホステス役を見事にこなしていました。
お任せメニューといっても、こちらの好みを聞いてくれて毎日違った料理を用意して、今晩はこれこれの予定だけれどいかがですか?とアペリティフの時に必ず訊いてくれるのも嬉しかったし、お料理の内容もお味も大変けっこうでした。