2014年7月22日火曜日

パリ7区のレストラン『オギュスト』で昼食を…

長く、寒かったパリの梅雨(?)も7月14日を境に漸く明けたと思ったら、30℃を優に越す猛暑が数日続きました。
いよいよ夏が始まると身構えていたら、一昨日から断続的に豪雨が降ったりして、また20℃前後に戻り、畑の胡瓜やトマトが育ちません。 あれぇ、去年も今頃同じこと書いたような気が…?

もう1週間前になりますが、パリ7区のロダン美術館の傍にある"AUGUSTE"でランチをしました。
ミシュラン1★のこのレストラン、実は日本にお住まいの姉妹社のお客様から伺うまで知りませんでした。
パリ7区といえばエッフェル塔、アンヴァリッド、オルセー美術館、ブルボン宮などの名所がひしめき、各国の大使館やら高級住宅街のある地域です。早い話、私達には敷居が高過ぎて縁遠いカルティエなのですよ。
そんな畏れ多い場所にある★付きレストランで35ユーロ(今は37になってました)のランチと聞いては行かない訳ないでしょ、この食い意地の張った私達が。
折しもパリ1区と7区に用事があった休み明けの15日、朝まだパジャマ姿のうちにlafourchette.comから当日のランチの予約を入れたのでした。

赤い旗看板が無ければ見過ごしそうな一見しもた屋風のシックなファサード。
大使館などの多い場所柄、客層はネクタイ族が殆ど。ウチの辺りのレストランとは訳が違う。
白と赤が基調のモノトーンな内装と合わせたガラスの位置皿。おっしゃれ~!

ほうれん草のムースの下に山羊のチーズ入りラヴィオリが隠された夫の前菜。
ジャガイモのムースの下にハーブのソースを絡めたモルトー(ソーセージ)が隠された私の前菜。
大きな金魚鉢風上げ底ガラス器に入って少なそうに見えた前菜は意外に量が多かった。

ポワール・ウィリアム(洋梨)のスフレとフロマージュ・ブロンのアイスクリーム。
(写真の左右のレイアウトを間違えたけど勿論デザートは魚の後です)
メーグル(ニベ科の魚)のソテー、カリフラワー添え。甘辛ソースが醤油味だと夫は言うが違うと思う。

すぐ近くのアンヴァリッドの屋根。もっと近くのロダン美術館。『オギュスト』の店名はオギュスト・ロダンから取ったようだ。

ロダン美術館の塀の一部がガラス張りになっていて外から庭が覗ける。ガラス越しに撮ったカレーの市民の後姿。
全然関係ないけど、近くの商店街で撮ったフランスの軍人さん達。前日(7月14日)のパレードの為に上京し、暫しパリの自由時間を楽しんでいるのかな?協議の結果ランチの場所が決まり、店に入ろうとしているところ。

ランチ・メニューは確かにお得感があったけれど、ワインリストが少なく高めでシャブリ・プルミエ・クリュCHRISTOPHEのモンテ・ド・トネール2011を取ったら二人分の食事代と大差ないお値段でした。グラスワインもあったけれど選択肢がなく好きじゃないワインだったのでボトルにしたのですが、そういえばネクタイ族は誰もワインを飲んでいなかったです。
ともあれ、7区でランチという滅多にないイヴェントは田舎者の私達には大いに気分転換になりました。
オギュストのHPを見ると、シェフは魚介料理が得意らしいので、今度は魚貝の美味しい季節に行ってみたいと思います。

2014年7月17日木曜日

14 juillet の花火大会

やることが遅くて既に3日前の話になってしまいましたが、7月14日(建国記念日、革命記念日、パリ祭)の花火を久々に観に行ってきました。
私は何を隠そう花火大好き人間なのですが、あいにく夫は興味が無く、ここ十数年観に行っておりませんでした。
毎年この時期になると独り自宅のバルコンに出て遠くに見える花火を、あの大きな木が邪魔とか、あの建物が無ければとか、バルコンの方角が悪いとか心の中でぼやきながら椅子に乗ってみたり、庭に降りてみたりして悔しい思いをしながら、辛うじて垣間見ていたのです。
今頃のパリは夜11時ぐらいにならないと暗くならず、花火大会が始まるのは11時頃なので、そんな時間に独りで外出する訳にもいかないし、歩いて10分ぐらいのプラージュ・ブルー公園で毎年上がる花火の身体に響く音に、心を乱されるばかりだったのです。
どうせ今年も観られないといじけていたら、なんと『行くよ、花火大会』と言うではありませんか。内心小躍りしながらも、ドタキャンも大いに有り得ると危ぶんでいたのですが、ついに実現したのでした。
夜の11時近くにあちらこちらから続々と真っ暗な公園に向かう人々が湧いて出たように蠢く様は、ちょっとシュールでしたが、昔々日本で体験した盆踊りや夜宮に向かう時の気分がふと蘇り、懐かしかったです。

念願叶って行った花火大会、オルリー空港の管制塔からのGoサイン待ちとかで始まったのは11時半過ぎでした。
待ちわびている間に目いっぱい膨らんだ期待が大き過ぎたのか、意外に興奮しませんでした。
暗い公園の斜面の階段に腰を下ろして花火を観ている時に、何かが一瞬足に触れた感じに下を見たら、花火に驚き池の端から逃げて来たらしい鵞鳥でした。
音と光のスペクタクル仕立てになっており、今年のテーマは『ベル・エポックの夏』とあって、音楽は古き良きパリを象徴する選曲で、花火も色の少ないオーソドックスなものでした。フィナーレはオッフェンバックの『天国と地獄』に合わせて景気良くポンポン打ち上げて盛り上がりました。
事前に研究しておけば良かったのに、暗い所でまだ馴染んでいないカメラの操作に苦労し、良い写真が撮れませんでしたが、マシなのをコラージュしましたのでご覧下さい。











2014年7月8日火曜日

ヴェルサイユのオークションと姉妹社2周年

ちょっと油断しているうちに、また2週間もCaféを休んでしまいました。
怠け者の店主に愛想を尽かして、ただでさえ少ないお客様が全然来てくれなくなってしまうかも…。
本店(Antique 姉妹社.com)の方が2周年やら新着品やらで少し忙しかったんですもの、と言い訳しております。
ともあれ、おかげさまで姉妹社も2歳になりました。
これがリアルショップだったら、シャンパンをポンポン抜いてお客様に大盤振る舞いするところなのですが、ネットショップの哀しさでそうもいきません。でも、気持ちは本当にそれぐらい愛と感謝の念でいっぱいなのです。

先日、ヴェルサイユ市に3軒あるオークション・ハウスの1軒に初めて行って参りました。
生オークションは熱くなってしまうし、コミッションが高いので最近は滅多に行きません。まして知らない会場は敬遠してしまいます。
今回は事前にネットで出品を検索していたら、どうしても気になる物があり、パリではないのでヒョッとしたらという淡い期待と、日曜日で道も空いているだろうし、というので重い腰を上げたのでした。
ヴェルサイユは何年ぶりかだったけれど、自宅から車でたったの30分で着き、こんなに近かったの?と驚きました。
午前中に下見をし、午後の開催時間まで昼食をしたり、お誂えにすぐ傍でやっていたvide-grenier(フリーマーケット)をひやかしたりして時間をつぶしました。
城下町だけにヴェルサイユは良い町です。今回は行かなかったけれど骨董屋街もあれば、☆付きレストランもあるブルジョワな町として知られています。
お昼をどこで食べるかという重要な問題は事前に研究し決めてあったのですが、目的の店に行ったら日曜日はブランチ・メニューのみというので止め、近くを物色したあげくに疲れてつまらないクレープ屋に入ってしまったのは不覚でした。
ま、そんな事はどうでも良くて、肝心のオークションに話は戻ります。
オークション・ハウスもお店と同じように感じの良し悪し、格の高低などありますが、此処は割合良い感じで客層も品が良く、出品も駄物が少なく、なかなかのレベルのようです。
下見の後、まず我々には何一つ落とせないだろうと殆ど諦めモードだったのですが、意外にも私達のターゲットと他の客達のそれとの間に多少ズレがあり、運良く5点も落札できました。
なんと、行く前から気になっていたメイン・ターゲットまで入手しちゃいました!勿論、こんなの買っていいのかな?とドキドキしながらでしたが…。
思わぬ大金をはたいてしまい、先行きに不安(本当の話)を感じながらも、楽天家の私達はなんか姉妹社もちょっぴりグレードアップしたような高揚感に包まれながら凱旋したのでした。

オークションハウスは宮殿の近くだった。宮殿のシャペル他。左の方に金ピカの正門上部が少しだけ見える。

完璧アールデコの建物。下が老舗っぽいレストラン。
19世紀末頃のcharcuterie (ハム・ソーセージなど豚肉加工品店) の店構えを残したアラブ人版コンビニ。

高級レストランの入口風なオークション・ハウスの入口。

オークション開催中の会場。

左はこのオークションの目玉の一つだったユトリロのグアッシュ。約650万円(27.6%のコミッション込み)で落札。
右は約940万円で落札されたもう一つの目玉アンリ・ルバスクの油絵。

姉妹社の落札品5点中の2点。(他3点は既にsold out)
左がメインターゲットだったドームのブラックベリー文ランプ。右はガレの羊歯文花瓶。(HPに出品中)

という訳で、姉妹社始まって以来の大物買い(サイズは小さいです)をしてしまったオークションの顛末でした。