2017年12月31日日曜日

ノエル@オーベルジュ・デ・タンプリエ

ついに大晦日になってしまいました。
今日中にやらなくてはならない事が幾つか残っており、焦っております。
ノエル前に載せたかった記事も未だ完成せず、来年に持ち越しです。反省!

今年のノエルは、もう3度目になるAuberge des Templiersで過ごしました。
最初は長女(チャウチャウ)が亡くなって間もない頃、2度目はB&Bが子供の頃、いずれもノエルでした。
以前、ウチの近くのサン・モールのマルヌ河岸にあった1★レストランの日本人シェフ三浦氏が今このオーベルジュのシェフをやっておられ、久々に彼に会いたいし、彼の料理は美味しいし、ホテルも良いし、という訳でここに決めたのでした。

MontargisとGienの間にあり、家から約130km、1時間半で行ける距離なのも好都合なのですが、近過ぎるので、やはり久しぶりのMontargisに寄ってお昼を食べたり、町をブラブラしてから行くことにしました。

今年もやっぱりグレー・クリスマス。しかも霧雨混じりで寒い。
ブリアール運河に架かる橋の上で。

同じく反対側。水門が閉まっている。

プラリーヌ(アーモンド菓子)で有名なMAZETの本店。
つい何箱も買ってしまった。

マゼの店の真向いにある聖マドレーヌ教会。

とても古い家。サロン・ド・テになっていて入りたかったけれど閉まっていた。

ノエルでしかも日曜日なのでレストランやカフェも殆ど閉まっていて(サヴォワ料理の店は開いていたけれど重そうだし)仕方なく小綺麗なニーハオ寿司に入り、タヴェルを飲みながら巻きものを摘まみました。
ちょっと寂しいというか侘しいというか…の展開でしたが、案外だいじょうぶでした。

オーベルジュの母屋(庭側から見たところ)。街道側の正面の写真を撮るのを忘れた。


広い庭にこのような離れが点在している。これは私達が泊まった離れ。


cosyで可愛いらしいお部屋。


火は焚いていなかったけれど暖炉もあって良い感じ。窓からお庭が見える。

同じく窓からの景色。


母屋のサロン。大きな暖炉の前でアペリティフをした。


食堂の入口に飾られたツリー。広いメインダイニングルーム。

壁際の明るい良い席が用意されていた。
アミューズはマテ貝と軽くスモークした鶉の卵。


ノエルの特別メニューは無く、普段どおりの選べるメニューなので助かった。
私の前菜は焼いた牡蠣の泡立てスープ仕立て。Oは蟹とアヴォカドの冷製、沖縄の海葡萄添え。


メインは二人とも帆立貝柱の香味焼き、生姜風味のブイヨン掛け。
青りんご(だったかな?)のプレ・デセール。この後チーズをお好みで。


私のデセールは小さなビュッシュ・ド・ノエル(果物系だけど何だったか?)
Oはショコラのダコワーズ。長くシッポを伸ばした飴細工が気に入ったようだ。


ちょっとブレたけれど三浦シェフ。約10年ぶりだけれど殆ど変わってない。
とっても気さくで好人物。お料理の腕も確かだし。パリでお店開いて欲しい。
ライティングされたお庭を通って離れの部屋へ。寒かった~。

例年の如くお天気が悪かったけれど(もう慣れた)、まずまずのノエルでした。
毎回同じことを言うけれど、花の咲く季節にまた来たいオーベルジュ・デ・タンプリエです。
先代のオーナーはルレ&シャトーの創始者の一人で、最老舗のルレでありながら最もリーズナブルな価格のルレでもあり、パリから近いしウィークエンドのちょっとしたお出かけにピッタリなホテル(5★)・レストラン(1★)です。
毎回違う建物に泊まったけれど、どのお部屋も良かったし、フランス版『全部旨い宿』です。
HPはこちらから。

2017年12月16日土曜日

プチヴァカンス@ブルゴーニュ Sainte-Sabine サント・サビー ヌ & Arnay-le-Duc

わぁ、もう12月か!って既に半ばに来ているではありませんか。
先日ちょっとだけ雪が降ったのですが、確か12月1日だったと思います。
寒くて、ウチでは代わる代わる風邪を引きかけては葛根湯のお世話になって、何とか踏みとどまっております。
またまたブログの更新が滞ってしまいました。
もうネタがどんどん古くなって記憶も曖昧になってまいりましたが、撮った写真を頼りに思い起こしながらリポートします。

ブルゴーニュ2日目の昼頃、Arnay-le-Duc(アルネー・ル・デュック)という町にテーブルアートのミュゼ(らしい)を探しに行きました。
探し当てたら昼休みで閉まっていたので、近くのレストランで昼食を取ったのですが、これがまた町に一軒だけって感じの古い大きなオーベルジュで、折しも地元の名士らしいお爺さんのお誕生日パーティーでほぼ貸し切り状態。
それでもなんとか隅っこのテーブルに案内され、手酌で(皆忙しいから)ワインを飲みながら遠慮がちに食事をして時間をつぶしました。

ミュゼは17世紀の施療院だったという古い建物で、ここでも文化遺産の日の恩恵にあずかり、割引料金で見学させてもらいました。
館内はミュゼというより食器専門の巨大なアンティークショップのようです。


19世紀後半の中流家庭のテーブルといったセッティングかな?
ポッテリしたファイアンスの食器、昔は食事にスープは欠かせなかったようでスピエールが必ずセットされている。バカラのColbertのグラスやナイフレストも使われてる。

1866年にウジェーヌ・ルソーがブラックモンにデザインを依頼し、クレイユ・モントゥローの製陶所で作られた有名な『セルヴィス・ルソー』。北斎漫画を模倣したジャポニズム作品のパイオニア的なこのシリーズは大変な人気を博し、第二次世界大戦前夜まで売れ続けた大ヒット商品だったらしい。因みにブルーで縁取りされたヴァージョンもある。

左は型ガラスの器を集めたケース。主に普及版オパリーヌガラスのテリーヌ容器など。
右は豚さんシリーズ、もっと在ったけれど可愛いのをピックアップ。

おままごと(人形用)食器のケース。
玩具とは思えないほど良く出来ている。ピクニック用バスケット可愛い!

Longchamps(ロンシャン陶器)のアスパラガス用食器。

Longwy(ロンウィー陶器)の『狩り』のシリーズの一部。
こんな可愛い動物や鳥を狩りしてジビエとして食す為?しかもこんな可愛いお皿で?

何故か突然、場違い感いっぱいのSèvres(セーヴル磁器)。
ヴェルメイユ(銀に金鍍金)で縁取られた貴族御用達的なお皿。豪華!

Saint-Amand(サンタモン陶器)のバルボティーヌのお皿。


コクティエ(半熟卵用の器)のコレクション


イタリア、ウルビーノ産の16世紀のマジョリカ焼き(上)、
16世紀のフランス・ルネッサンスの陶芸家ベルナール・パリッシーの作品(中)、
18世紀のグラス・クーラーとか、古い陶器も少しだけあった


突然スキンヘッドのシェフ‼ マネキンでした。
昔の厨房機器はカッコいいです。


Saint-Clément(サン・クレマン陶器)のコレクション。Galléのライオンの燭台も見えます。
因みにGalléの初期の陶器はサン・クレマン製。軟質だからカケやすいのですよね。


酢・油入れのコレクション。これもSaint-Clémentのようです。


Sarreguemines(サルグミーヌ陶器)のティーセット。
とてもシックで焼きが硬そう。硬質陶器ではやはりサルグミーヌが一番かな。これ、欲しい!


19世紀末のGien(ジアン陶器)。ジアンは絵柄のデザインが抜群ですね。
しかも丈夫だし、安いし、普段使いの食器としては最高かも。

まだまだ沢山あったのですが、キリが無いのでこの辺にしておきましょう。
このシーズンの展示のコンセプトだったのかも知れませんが、ファイアンス(磁器ではなく陶器)が殆どで、高級な磁器類、ガラス類、銀器類が無かったのがちょっと残念でした。
でも結構見応えがあったし、貸し切り状態で自由にゆっくり見たり写真を撮ったりできてなかなか良かったです。
売っていたら私にも買えそうな身近な物が殆どで、アットホームなミュゼでした。

古城を見たり、美しい村を散策したり、田舎の町一番のレストランで食事したり、ミュゼを見たり、盛沢山なプログラムを余裕でこなし、さて我らが城へ帰館と相成ったのですが、城の前に着いても未だ日が高いので、せっかくブルゴーニュのPouillyの辺りに来たのだからブルゴーニュワインを買いに行こうと、車をそのまま走らせてプイイーの町まで行きました。
Cave(酒蔵)だらけかと思いきや日曜日のせいか死んだような街で、開いていたのはただ一軒、その小さな店で好きなRully 1erCruの白を1カートンと珍しいMeursaultの赤を3本だけ買って、既にサヴォワのワイン満載の車のトランクに無理やり押し込み、城にUターンしたのでした。

プチヴァカンス最後の夜、ゆっくりお風呂を使い、城内の遊戯室などを覘いた後、
サロンでアペリティーフ。

ディナーの前菜には初体験の大ナマズ、メインは鳩。

デザートはスフレ(私)、ショコラのマルキーズだったか?(O)

この頃いつも飲んだワインを記録するのを忘れてしまいます。今度からはしっかりラベルの写真を撮っておこうっと。
お食事はまあまあでしたけれど、大勢の鹿に逢えたし、お部屋も良かったし…(あっ、そうそう最後の晩夕食の前、Oがカーテンを引こうとしたら3m以上ありそうな大きな重いカーテンがロッドごとバサーっと落ちてきてビックリしたけど)、まずまずのシャトー滞在でした。
シャトーのHP内の動画をご覧ください。

ウッフ、漸くプチヴァカンスのリポートが完了しました!
なんとかノエル前に終えることができてホッとしました。ノエル前に載せたいずっと以前から温めてきた記事もあるのですが、実行可能かどうか?
ほんと、やること遅くて、気力も能力も衰えてくる一方の情けないこの頃です。
来年こそはもっと気合いを入れて頑張らなくては!

2017年11月28日火曜日

プチヴァカンス@ブルゴーニュ Sainte-Sabine サント・サビー ヌ & Châteauneuf

めっきり寒くなってきました。もう晩秋というより初冬です。
朝のBokuのお散歩の時などダウンとマフラーは必須、手袋も欲しいぐらいです。
紅葉を愛でたのも束の間、ここ数日で近所の森も殆どスケスケになってしまいました。
ヴァカンスのリポートが完結しないままノエルになるのでは、と焦っております。

で、ブルゴーニュ2日目に遡ります。
この日は実に盛沢山のプログラムだったので、午前と午後の2回に分けます。

前夜も撮ったサロンの朝の様子。なかなか優雅です。

前夜の夕食と同じテーブルで朝食。夕べは暗くて見えなかったけれど池の正面に面した席だった。食後、古いパンをビニール袋いっぱい貰って、散歩がてら鹿に会いに行った。

いた、いた!Bokuを連れていたので最初は少し警戒していたけれど、無害なワンちゃんと見定めたようでパン欲しさに大勢集まってきた。

写真も撮ったけれど、きりが無いので動画をご覧あれ。

このホテルに決めたのは、実はこの鹿さん達に逢いたかったという事もあったのです。
ほんと、ディズニーのバンビそっくりの可愛いさ、優美な姿を間近に見られて大満足でした。

ひとしきり鹿と遊んだ後、すぐ近く(ホテルからも見える)にある古い城塞Châteauneuf en Auxoisシャトーヌフ・オン・オソワに車で出かけました。

門番さん達がいたけれど、折良くこの日は『ヨーロッパ文化遺産の日』で入場無料だった。
お濠を渡って門の中へ。右は中から門を振り返って見たところ。

14世紀のブルゴーニュの城塞築城の最後の城跡の一つとのこと。
中世の城らしく飾り気のない頑丈な造り。城壁に開けられた窓から村が見える。

中庭から見たシャペル付き本館。今は水の無いお濠。

城内のシャペル(死者の間とも呼ばれる)。所々にかかっているタピスリーの一つ。

上階の居住区。左は風呂場とトイレ。

王と王妃(何方かは詮索しなかった…)の寝室。

城の窓から見晴らした下界。ブルゴーニュの田園風景。

『フランスの最も美しい村』に指定されている中世がそのまま残るシャトーヌフの村。

お店の看板が楽しい。左下の看板の骨董屋さんの巨大なチベット犬。
右の写真にチラっと見えるのがオーナーのマダム。東洋骨董専門だった。

予定も期待もしていなかった訪問だったけれど、シャトーヌフはなかなか素敵な所でした。
けっこうゆっくり見て回ったのに、まだ午前中。
ホテルで貰った観光案内地図を見ながら次は何処に行こうかと悩んだ末、地図に記された見所スポットの地方テーブルアートセンターというのが気になりArnay-le-Ducという街に行ってみることにしました。
続きはまた次回のお楽しみ、ということで、きょうはここまでにしておきます。

2017年11月18日土曜日

プチヴァカンス@ブルゴーニュ Sainte-Sabine サント・サビーヌ

きょうはボージョレー・ヌーヴォー解禁日。
近所のカルフール・マーケットに買いに行き、さっそくお昼に飲みました。
Georges Duboeufのヴィラージュを開け、一昨日ラ・ブルゴーニュ(近所のレストラン)でお土産に貰った自家製フォアグラなどを薄いポン煎餅に載せたアミューズ、ブルーチーズと栗入りのパスタ、鴨の煮込みなどで一杯(というか何杯も)やりました。
普段赤ワインは透き通ったルビー色のピノ・ノワール一辺倒の私達には、ボージョレーの濃いスミレ色にいつもながらビックリします。
と、ここでこの記事が中断したので上記は昨日(日本時間では一昨日)のことになってしまいました。

またしても2カ月前に戻り、ヴァカンスのリポートの続きです。
ブルジェ湖に別れを告げた私達は、帰りがてらブルゴーニュに寄り道をしました。
フランス料理が続いて、まだ続く予定なので、Beauneの和食レストランBissoh(ディジョンの帰りにも立ち寄った店)に寄って、口直しにお鮨をいただきました。
やはり日本人です、柚子白菜やら握り鮨を、砂漠でオアシスとばかりに貪ったのでした。
目指す宿は、ボーヌから30kmほど北(パリ寄り)にあるSainte-Sabineという村のお城で、初めての所です。

教会に接したお城の前庭が駐車場になっていて、荷物を持って門をくぐり中庭に入る。

なかなか立派なお城だ。16世紀に建てられたそうだが、良く保存されている。

『ボクこれに乗ってきたんだよ』ってのは嘘。何故か中庭にフェラーリやらマセラティが!
私達の部屋へ上がるドンジョンの入口。天使の彫刻が美しい。

上品な色調の広い部屋。お城らしいけれど嫌味が無く、近代的な設備が整っている。

部屋はクラシックなインテリアだけれど、バスルームはモダン。

プライヴェートテラスが付いていて、本館や庭園やシャペルが見える。

庭園側から見たお城の本館。下の張り出した所が主食堂。

8ヘクタールある庭のほんの一部。

★は無いけれど一応ちゃんとしたお料理を出すレストラン。
赤紫蘇の芽やキャヴィアが5粒ほど載ったサーモンのアミューズ、大きなラングスティーヌの前菜、メインはオマール。

小さな金箔などあしらったデザート。

食後のコーヒーは上のサロンで。よく見るといい加減に描かれた天井画。

大きな食堂は満席だったけれど、窓際の良い席が用意されていたのはナイスでした。
サーヴィスは大食堂的で、シャトーホテルのレストランとしてはちょっとお粗末過ぎ。
お料理はまあまあ、でした。ワインは何を飲んだか忘れてしまいました。
せっかくブルゴーニュだっていうのに…、ラベルの写真を撮っておくべきでした。