《ナ行》
鉛クリスタル (レッド・クリスタル lead crystal)
原料に酸化鉛を含むクリスタル・ガラス。17世紀にイギリスで発明されて以来現代まで主流といえる代表的なクリスタル。
(詳しくはアンティーク・ガラス豆百科-その2-もご参照ください。)
《ハ行》
パティネ patiné
『古色を付けた』という意味のフランス語の形容詞で、黒、茶、緑、金などで着色されたブロンズをブロンズ・パティネと呼ぶように、本来彫刻などに使われる技法を指す。ルネ・ラリック等アール・デコのガラス作家がこれを応用し、色を溶かしたアラビアゴム系の糊を無色のガラス製品の表面に塗布し乾燥させて着色し、レリーフ模様を際立たせるなどの効果を出すための簡易な加飾法として多用した。
エミール・ガレが特許を申請したパティネは、溶けたガラス素地に不純物を混入し、化学反応を起こさせて錆のような古色を出すという技法だが、晩年の作品に極稀に用いられた。
パット・ド・ヴェール pâte de verre
本来『ガラスのペースト』という意味のフランス語。色ガラスの粉末を糊で練って鋳型に充填し、型のまま焼き上げて中のガラスを溶解させて成形する技法。(詳しくはアンティーク・ガラス豆百科-その21-もご参照ください。)
ハンドカット・ガラス hand-cut glass →カットガラス
ビードロ vidro
江戸時代のガラスの呼称。ガラスを意味するポルトガル語vidroが語源といわれる。薄手のシンプルな吹きガラスをビードロと呼び、カットをほどこした高級なガラスをギヤマンと呼んだとの説もある。
ファソン・ド・ヴニーズ façon de Venise
『ヴェニス風』とか『ヴェニス式』という意味のフランス語で、ルネッサンス期にヨーロッパ中を席巻したヴェネツィアン・グラスを模倣してフランス、ドイツ、オランダなどで作られたガラス器を指す。各国の王侯貴族がヴェニスのガラス職人を引き抜き自国に招聘して作らせたものであろうといわれる。(詳しくはアンティーク・ガラス豆百科-その8-もご参照ください)
フイユ・メタリック ( ペルル・メタリック ) feuilles métalliques ( perles métalliques )
ガラス素地の中に金、銀、プラチナ箔などをサンドウィッチ状に封入して加熱し、吹いて箔を散らして地模様を作る技法。正しくはinclusions de feuilles métalliques (金属箔の混入)というフランス語。日本では、feuilles(箔)ではなくperles(珠)と伝えられている。
フィリグラーナ filigrana
日本ではレースガラスと呼ばれるヴェネツィアン・グラスに多用される技法またはその素材になるレース棒およびこの技法を用いたガラス器そのものを指すイタリア語。語源は線、糸を表すラテン語に発し、因みに銀や金の針金細工もフィリグラーナという。
プレス・ガラス pressed glass →型押しガラス
フロスト・ガラス frosted glass →サティネ →ジヴレ
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