さて3夜目にして最後の晩餐、昼食抜きで臨んだ意気込みでLa Tentation(誘惑)と名づけられたムニュ・デギュスタシオン(おまかせメニュー)に挑もうかとも思いましたが、『最低8皿』にはさすがに怯み、この誘惑を退けて5皿のLa Calville(りんごの名前)メニューにしました。
因みに1夜目のメニューは3皿のLa Petite Calville、2夜目はア・ラ・カルトでした。
アペリティフのカナッペとアミューズは、毎回同じものが出ます。連続3回ディナーする客はいないのでしょう。
前菜は鰹のマリネを取りたかったのに本日は無しとのことで、最初に食べたオマール入りフォア・グラをリピート。
やっぱり美味しい!最初に上質なフォア・グラのまったりとした艶やかな味が舌に絡みつくと思いきや、突然爽やかな潮風が鼻に抜けるようなオマールの香りと食感、更にハーブのほろ苦さが余韻を残すという味の三重奏。こんな複雑で豊かなフォア・グラのテリーヌは食べたことがありません。
次の皿は、前夜と同じ大きなラングスティーヌが1尾、小さなリング状の手打ちパスタ入りの殻から摂ったブイヨンに浸かっており、ディル風味の泡状ソースを浮かしてあります。たまらない、もっと食べたい!後を引く美味しさです。
メインは『再考された純正ルアンの鴨、ズッキーニとオレガノ風味』。メニューには記載されていませんが、小さなりんごの形をしたコロッケと、白ブダンと夏のトリュフのスライスが添えられた豪華な一品。鴨の胸肉はたった一切れですが、しっかりと味付けされた非常に充実したものでした。
チーズのワゴン・サーヴィスの後、デザートと続き、更にミニャルディーズ(小菓子)とコーヒーで締め括るのですが、
デザートまでで降参し、部屋に退散しました。
ワインはLouis Jadot のボーヌ・プルミエ・クリュ2009年、上質なブルゴーニュのピノ・ノワールの芳香に酔い痴れ、ぐっすり眠ったのでした。
満足しました。シェフのお料理はテクニック、独創性、ミリメートル単位でジャストに仕上げられた味加減、火加減、どれをとっても完璧です。欲を言えば3泊3夕食するにはメニューの選択肢がもう少し欲しかったです。
庭に菜園があり、花壇には色々なハーブや食べられる花が植えてあり、どの料理にもお庭で摘んだ野菜や植物が使われているのもナチュラル志向で好感が持てます。
フェカンの人達のために持参した青紫蘇の苗を半分あげたら、シェフはとても喜んで自ら花壇に植えてました。紫蘇のお礼にと、子供達の追加料金をオマケしてくれたので、今度来る時は柚子を持ってきてあげると約束しました。
あれだけ良い食材に手の込んだお料理でお値段は安い!8皿メニュー75€(約10000円)、5皿メニュー57€、3皿メニュー45€と33€。1泊+朝食(二人分)は120€(約16000円)でした。
『また行きたいレストラン』が1軒増えました。
Le Bec au Cauchois (Restaurant PIERRE CAILLET)
大きな暖炉のあるラウンジとレセプション
玄関側の庭(左)と池側の庭(右)
池側の庭に面したメインのダイニングルーム
アミューズ・ブッシュ。キュウリの冷たいポタージュと山羊の生チーズの味のコントラスト(淡白-濃厚)が心地好い。
ラングスティーヌのスープ仕立て。この前にフォア・グラの前菜(一夜目と同じなので割愛します)。
メインのルアン鴨の料理。
夫のショコラのデザート(味見させてくれなかった程美味しかったらしい)。私は一夜目と同じのをリピート。
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