細かく記録しておきたい、愚痴をこぼしたい気もする一方、思い出すのも腹立たしく、早く忘れて立ち直りたいので(今だ未解決ですが…)、何があったかの詳細は敢えて書きません。
そのトラブル・ラッシュの間隙に得た束の間の平穏な時間に、ふと思い付いてランチに行ってみたレストラン『オーベルジュ・デュ・キャーンズ』についてリポートします。
パリ13区といえば、私達にとっては中華街そのもの、ミシュランの星付きレストランなどとは無縁のエリアという認識が浸透していますが、もしかしたらその常識が覆される日もそう遠くはないかも?と思える食体験をしました。
お店の名前が示すように、サンテ通りの15番地にあり、オーベルジュ(英語のINN、日本語の旅籠?)というだけにリュスティックで一見昔風なレストランです。
私が食通としてリスペクトしているピュドロフスキー氏が13区で唯一『皿』(ミシュランの星に相当)を1枚付けているレストランとして記憶してはいたのですが、その日の朝食時にミシュランをペラペラめくっていて『新しい日本人シェフ』云々の記事に注目するまで、すっかり忘れていたのでした。
とても若いシェフ、モリエ・ヨシノリ氏のおまかせ料理はどれも繊細で奥床しく仕事がされていて、種々の添え野菜の一つ一つに至るまで、それぞれ味わい深くいただけました。
これ見よがしな派手な演出はなく、さりげなく、美しく作られたお料理は、『春の予感』とでも名付けたいフレッシュで春の野山を想わせる牧歌的な美味しさでした。
欲を言えば、一見リュックスな食器類が、彼の料理のテイストと合わないし、私の趣味でもなかったのがちょっと残念。
ワインリストは充実しているけれど、ボトルの値段が意外に高く、お昼なのでグラス・ワインで我慢することにしたのですが、これが大正解!
大雑把な好みを聞いてはくれたけれど、期待はしていなかったのですが、なんと白も赤も私の好みにピッタリのブルゴーニュの上質なワインを開けてくれました。
お料理、お酒、サーヴィス、どれも高得点、車も近くに駐められるし、また行こうと思います。
最近流行りの半オープン・キッチンと木と石を使ったリュスティックな内装。ちょっとだけモダン。
前菜はカプチーノ仕立てのポタージュ。中にポワレしたフォア・グラが隠されていた。
お魚が何か聴き取れなかったけれど、身の締まった美味しい魚だった。クローバーが可愛い!
本日のお肉は牛肉だったけれど、ホロホロ鳥に替えてくれた。スウィートピーの葉や茎、ハコベなどが添えてあり、摘み草料理みたい。綺麗なデザートは全部味が違うムースやグラス。
ピカピカに磨き上げられたキッチン。モリエシェフとダリ髭大男のメートルドテル。優しい人達。
L'Auberge du 15 15, rue de la Santé 75013 Paris tel. 01 47 07 07 45 日・月休み
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